杉野希妃インタビュー
「生死に向き合った感覚から自分が変わった」
──プロデューサー、女優、監督業。それぞれどう使い分けていますか?
「スイッチを入れるみたいな感覚は全くないですね。例えば、エッセイなど書くお仕事も以前より増えてきたのですが、それも繋がっている。演じるって新しい自分を見つける作業だとも思っています。芝居も演出も執筆も、いかに素直になれるか、真の心、真の自分と向き合えるかが大切で。自分の想いに体が勝手に反応したり、イメージを膨らませたり、それにはまる言葉を探したり、全て同じ線上にありますね」
──自身を客観的に見るのが得意なのでしょうか。
「昔から客観性は強い方だと思うのですが、今年、オランダで交通事故に遭ったんです。そこで生死に向き合った経験から感覚が変わりました。意識というか、精神的な部分で。今までは自分の感情を意識するときに、肉体から内を感じていたんですよ。でも事故の後は、精神だけ宙に浮いていて他人事のように肉体を見ているような自分がいて。昔より、ある意味自分を客観視できるようになったというか。俯瞰で見ているような感覚に意識が変わった。元々タフだと言われてきましたが、俯瞰で自分を見てみたら確かにとてもたくましくて、そして一方ではすごく繊細で脆いんだと実感しました」
──オフの日の楽しみは?
「最近ホットヨガをはじめて、解放されてます。これも事故をきっかけに。数年前、周りがやっているのを横目で見ながら『私はその流行には乗らないぞ』って思ってたんですけど、事故に遭って体を改めて見直すようになって、退院後に家に帰って自分の体を鏡で見てびっくりしたんです。太ってて。筋肉量もかなり落ちていたので、リハビリに加えて、急いでパーソナルトレーニングを始めました。それが5月で、8月にすでに映画のお仕事が決まっていたので、3ヶ月で頑張って絞りました。その延長線上で始めたホットヨガがすごく良くて。もっと早く素直になっておけばよかった(笑)」