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Way of Life vol.1 佐藤久実(レーシングドライバー)×田中杏子スペシャルトーク

車を持つ女性のライフスタイルに迫るスペシャルトーク企画「Way of Life」。女性レーサーとして第一線で活躍し、現在も24時間耐久レースへの出場やモータージャーナリストとしても幅広く活動する佐藤久実を迎え、小誌編集長・田中杏子とトークを展開。大人のオンナのたしなみについて、幅広いトピックで盛り上がりました。第一弾では、現在の仕事と出合ったきっかけや、それぞれの仕事の魅力についてお聞きします。
──ニュルブルクリンク24時間レースに出て、世界が変わったとお聞きしました。
K「ドイツのサーキットって特殊なんですが、1周25kmのうち20kmが山路なんです。すごく古い道で、荒れているし狭いし、ライトもなく、夜は真っ暗。はみ出したらすぐ30m下は崖のようなコースなんです。そのコースを約200台が走るということ自体かなりカルチャーショックでした」
A「1回のレースで3kgくらい痩せるんですよね?」
K「今年は3人で交代しながら走りましたが、レース中は1時間ずつしか眠れないんですよ。だいたい2時間ずつ走ってという感じで、インターバルが5時間あっても移動や食事、着替えなどしていると睡眠時間がほとんど取れないんです。本当に集中力の勝負。ただ不思議と走っているときは眠さはないんです」
A「そういう状況下で集中力を切らさず、崖のコースを走るんですね。大変な思いをしても、それでも続けようと思う理由とは?」
K「やっぱり24時間って、最後にチェッカーを受けたときの感動がものすごいんです。その代わり夜で雨だったりすると滑りやすいし、視界が悪いときは『帰りたい』って心が折れそうになりますけど。でも耐久レースはチームで走っているので、自分がクラッシュしてレースを終わらせたり、逆に安全にゆっくり走ってポジションを10も20も落としたりできない。アドレナリンとは逆に冷静な自分もいますね」
A「私は車の免許をイタリアで取っていて、わりと前へ前へと行ってしまうタイプ。今は落ち着いて大人の運転を心掛けていますが(笑)。スピードを競っているなかで、錯覚することはないですか。『このままハンドル切らなければどこかに飛んで行っちゃうかも』みたいな。普通に運転をしていてもたまにそんなことを考えるのですが」
K「怖いって思いますね。耐久レースのコースは最後の2kmが直線なのですが、真っ直ぐではなく、微妙に前方が見えにくくなっているんです。スピード落としたら絶対に負けてしまうし、でも怖いから戻しそうになるんです。戻したら後悔するのですが、アクセルを踏みっぱなしで走ることができるようになるにはかなり勇気が必要でした」
【2人が仕事で経験した忘れがたい興奮】

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