楳図かずお大美術展で見た地球の未来?【#私の土曜日16:00】 | Numero TOKYO
Culture / Editor's Post

楳図かずお大美術展で見た地球の未来?【#私の土曜日16:00】

その少し前、仕事の合間に立ち寄った本屋さんで楳図かずおさんの漫画『こわい本』シリーズが目に止まりページをめくってみると、その世界観に入り込んで無我夢中に読んでいました。これまでラブコメ漫画一本だった私にとっては、衝撃すぎるストーリー。序盤のストーリーは“なるほど、共感できる” “最後の展開はこうなりそうだな”と読み進めていても1話を読み終わる頃にはその想像を遥かに超えてまったく知らなかった世界に連れて行ってくれる、楳図かずおさんの作品は本当に不思議だなと思ったのでした。

その数日後、知り合いから「楳図かずお大美術展を見に行かない?」との誘いが。これは何という偶然だろうと思い、先日の土曜日に東京シティビューで開催中の楳図かずお大美術展へ行きました。

会場にはこれまでの代表作品が展示され、その他にも楳図かずおさんの世界観を表現し作り上げた芸術家の方々のインスタレーション・アートも鑑賞できる楳図かずおさんワールドにどっぷりと頭まで浸かれる場所でした。

『漂流教室』『わたしは慎吾』『14歳』の代表作品も展示されており、私は初めて拝見しました。(ラブコメ一本の人間でしたので……笑) 現代に起きている地球の環境破壊や今当たり前のように浸透し始めているAIなどがテーマに盛り込まれたストーリーを四半世紀以上前に手がけられていたなんて……。人間はどんな生き物なのかを訴えかけられているような気持ちになりました。

さらに進むと楳図かずおさん27年ぶりに書き下ろした新作『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』が鑑賞できるのです。

またまた驚きの連続。連作漫画で1枚ずつ作品を鑑賞できるのですがその数101枚! ! 一つ一つの細かな色彩とタッチをじっくりと見ることができるのです。楳図かずおさんのエネルギーに翻弄されっぱなしでした。またそのストーリーは今後の世界を予言しているかのよう。楳図かずお大美術展は今週25日(金)まで。私のようなラブコメ一本の人もそうでない人も、ぜひ会場に足を運んで楳図かずおさんワールドに浸ってください。

『楳図かずお大美術展』
会場/東京シティビュー TOKYO CITY VIEW
会期/3月25日(金) まで開催中
https://umezz-art.jp

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Profile

柴田紗妃Saki Shibata コントリビューティング・ファッション・フィーチャー・エディター。出版社経験を経て2018年『Numero TOKYO』に参加。ファッション撮影をはじめ、ファッションにまつわる読み物ページ、カルチャー取材、インタビューなど主に特集ページを担当。国内・海外問わず90年代〜現代までのテレビドラマを深く愛し、主人公の気持ちに浸ってロケ地を巡りまくる。目標は日本のファッションと人間模様をテーマにした脚本・エッセイを出すこと。
Instagram: @sakisakishibata

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