滞在時間10分でも寄りたい場所【#私の土曜日16:00】 | Numero TOKYO
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滞在時間10分でも寄りたい場所【#私の土曜日16:00】

ふと、これから地元に帰ろうと思いついたある休日。帰っても特別なことをするわけでもなく、いつもの友達に会い、お決まりのラーメン屋に行って、スターバックスでコーヒーを買ってドライブをします。このルーティーンは運転免許を取った18歳から変わらず10年以上続いていていつもよく飽きないな……と思いながらも、飽きず当時と同じメンバーで最近の日常を報告し合います。

そんなたわいも無い話をしながら、地元唯一の“ハワイロード”を抜けてたどり着くのが、家から15分ほどのこの海岸。今回は冬しか見られないグラデーション掛かった澄んだ空に感動し、車を降りて浜辺を歩こうとしたのですが、とっても寒くて今回の滞在時間は10分(笑)。「やっぱ寒いね」と言いながらすぐ帰りました。

でもここへ来ると、数え切れないほどの思い出が蘇ります。学生時代、友達と花火をして夜まで語り合ったこと。ゲームに負けた人が海に落とされる訳のわからない遊びをしたこと。夏にサンオイルを塗って友達と一日中日光浴をしたこと。東京が嫌になってここで話を聞いてもらったこと。友達とこの海には感謝したいです。

東京にいると、つい新しいものを求めがち。一度立ち止まって自分を見つめ直す場所も大切にしたいと思った日でした。東京でもそんな場所ができたらいいな。

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Profile

柴田紗妃Saki Shibata コントリビューティング・ファッション・フィーチャー・エディター。出版社経験を経て2018年『Numero TOKYO』に参加。ファッション撮影をはじめ、ファッションにまつわる読み物ページ、カルチャー取材、インタビューなど主に特集ページを担当。国内・海外問わず90年代〜現代までのテレビドラマを深く愛し、主人公の気持ちに浸ってロケ地を巡りまくる。目標は日本のファッションと人間模様をテーマにした脚本・エッセイを出すこと。
Instagram: @sakisakishibata

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