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Fashion Post

ファッション業界のあり方をもう一度考えよう

今まで当たり前のように感じていたファッションサイクルや素材の使用、女性のボディイメージといった、業界内の既存のシステムを再考する各ブランドが発信するメッセージに耳を傾けてみよう。(「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」2018年3月号掲載)

GUCCI

リアルファー廃止宣言は業界の流れを変えるのか!?

グッチが「Fur Free Alliance(毛皮に反対する国際連盟)」に加盟したことを発表したのは昨年秋のこと。ますます勢いを増すパワーブランドによるこの動きは「ゲームチェンジャー」になると話題になり、業界全体がリアルファー使用を根本から考え直すきっかけをもたらした。発表から初のシーズンとなった2018年春夏コレクションでは、ファーモチーフを取り入れたルックが数多く登場したが、ショップ展開時にデザインまたはマテリアルが変更される予定だ。
Photos:Dan Lecca

PRADA

古き良き建造物に新たな価値を


昨年に期間限定で一般公開され、今後はプラダの中国でのさまざまな活動の拠点として活用されるという。

プラダにとってインスピレーション源として大きな意味を持つアート。もちろん建築もそのひとつだ。これまで世界各地の歴史的遺産の保存プロジェクトに携わってきた経験を持つ同ブランドが、20世紀初頭に建てられた上海の歴史的邸宅を修復したPrada Rong Zhaiを昨年10月にオープン。現代建築の実験的活動や歴史的建造物保全など、独自の美学に基づく活動で、ファッションの枠を越え文化やライフスタイルをより豊かにすることに力を注いでいる。
Photos:PRADA

STELLA McCARTNEY

イノベーティブな素材でサステイナブルを追求

創業以来ファーフリー、レザーフリーのコレクションを発表しているステラ マッカートニー。2018年夏シーズンのインビテーションは、なんとブランド名をあしらったリサイクル可能なゴミ袋(⁉)︎。

ショウでも「スキン フリー スキン」を提唱し、レザーを使わないナッパ風素材をオーガンザにあしらったドレスなどを披露。近年はバイオテック企業と提携し、環境汚染の少ない素材開発を進めるなど、サステイナブルファッションのリーディングカンパニーとしての存在感を示す。
Photos:STELLA McCARTNEY

DRIES VAN NOTEN

洋服だけで世界と勝負する、孤高のデザイナー

映画『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』はデザイナー自身の美学に迫った作品だが、コレクションの制作プロセスからは、ファッションビジネスに対する独自の哲学も見て取れる。ファッション界で確固たる地位を築き上げた唯一無二の独立系ブランドによる「広告を否定し、スポンサーも持たない。すべては自由なクリエイションのため」というフレーズは、多くの若手クリエイターに気づきを与えるはずだ。

『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』
出演/ドリス・ヴァン・ノッテン、アイリス・アプフェルほか
監督・脚本・撮影・製作/ライナー・ホルツェマー
ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開中

『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』の情報はこちら

KERING GROUP

ミレニアル世代のエシカル意識を刺激

グループ全体でサステイナビリティ戦略に積極的に取り組むケリング。同社ではデザインの過程から環境負荷を考慮すべきという考えの下に、商品の製造過程における環境への負荷をコストとして可視化させた「My EP&L」というアプリを開発。既に教育機関でも取り入れられ、学生の意識を高めることに貢献している。


アイテム、素材、原産地などの情報を入れると、どれだけ環境に負荷がかかっているのかコストが算出される。無料アプリ「My EP&L」。

MICHAEL KORS COLLECTION

多様性のあるボディイメージが女性を救う!


マイケル・コース コレクションはプラスサイズモデルを起用し、女性の体形美に対するステレオタ
イプを打ち破った。また業界の2大企業、LVMHとケリングもショウや広告に痩せすぎモデルの起
用廃止を発表。あらゆる体形を認め合い、心も体もヘルシーな女性が増えるきっかけになるはず。
Photos:MICHAEL KORS COLLECTION

Edit:Etsuko Soeda Supervision:Sayumi Gunji

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