恋も仕事もうまくいく!? 人生が変わる菌活入門!
菌活=腸のためだけにあらず。デリケートゾーンや肌とも関係が深く、美ボディには全身菌活がマスト! さらに、恋も仕事も“菌”が命運を握っている……というのは嘘のような本当の話。幸せになる菌活テク、教えます。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2020年11月号掲載)
お話を伺ったドクター Dr.陰山康成 医学博士。医学・歯学のWライセンスを有し、「生の菌を人間に移植する時代は必ずくる」と10年前から提唱。高輪クリニックグループ総院長。 Dr.下川穣 歯科医師。都内医療法人理事長を経て2018年に(株)KINSを設立。菌ケアを通して美容と健康をサポートしている。
1. “愛され”体質に性格が変わる!
欧米でも“腸脳相関”は話題。意外なことに、腸内環境とメンタルには深~い関係が!
「シンバイオシス、つまり腸内環境のバランスがとれていると、明るく社交的、おおらかで人に好かれやすい性格になることがわかっています。集中力や記憶力も高まり、ストレス耐性もアップ。美肌にも関係しているので、ほぼ無敵の状態になれると言えるかもしれません(笑)」(陰山先生)。
ピロリ菌の治療で除菌をしたら性格が変わってしまった、というのはよく聞く話。「これは腸内環境が変わったため。それほど腸内フローラは人間のキャラクターに相関しているのです」
2. ぴかぴかの美肌も菌次第!
“美肌菌”が今ブーム! これは主に、スキンケアによって肌上に存在する善玉菌へアプローチするもの。すべすべツヤツヤの潤い美肌には、もちろん美肌菌は欠かせないが……。
「外から美肌菌を育てるケアとともに、内から腸内フローラを整えることも美肌には不可欠です。腸内環境は美肌に大きく関係します。内からと外から、両輪でアプローチする菌活ができればパーフェクトです」(下川先生)。スキンケアをしていても効果が感じられない、ちょっとしたことでニキビや炎症が起きる……そんな肌こそ菌活を!
3. “菌視点”のパートナー選びで幸せに
「いま注目したいのが、デリケートゾーンや口腔内の菌活。どちらも異性との“菌交換”が行われるパーツです。菌は全身の健康に関わるので、パートナー選びはとても大切」(陰山先生)。恋わずらいで元気がない……それ、実は相手の口内環境のせいかも!? 恋人が代わったら体調が悪くなった、湿疹が出たという人も実際いるそう。
「長年、生活をともにしていると食事や飛沫、性交渉などで腸内フローラは似てきます。でも、口腔内フローラはあっという間。キスの相手は相当厳選すべきです」。将来、身上書の代わりにフローラ検査を見せ合う時代がくる?
4. ヤセ菌増やしてスリムボディに
ダイエッターの間で話題の“痩せ菌”と“デブ菌”。有名な科学雑誌『ネイチャー』で、痩せている人の腸内細菌にはバクテロイデス菌が多く、太っている人の腸内にはフィルミクテス菌が多いと発表されたのがきっかけ。ダイエットをしてもなかなか痩せない、という人は、腸内で“デブ菌”優勢になっているかも。
実際、欧米では肥満の治療として「痩せ型の人の腸内細菌を、生のまま肥満者の腸に移植するという治療も行われています」(陰山先生)。腸を理想的な状態にすれば、内面も外見も美しさは無限大。善玉菌を増やして、美ボディを手に入れたい!
5. 免疫アップ&ウイルスに負けない体に
免疫細胞の7割は腸内に存在。さらには、新型コロナ(COVID-19)と腸の関連についても、論文が多く発表されているそう。
「感染者の腸内にはフィーカリ菌など、特定の善玉菌が存在しないことが判明しています。これから冬にかけてウイルスに罹りにくい体にするには、腸内に善玉菌の種類を増やす、つまり菌の多様性を高めて、自然免疫を上げておきたいですね」(陰山先生)。ちなみに最近CMなどで目にする酪酸菌も、免疫力をコントロールする酪酸を産生する善玉菌。免疫アップのためにも、腸の菌活はとっても有効。
「フローラ」って何?
最近よく聞く「フローラ」。 腸内フローラとは腸内細菌群のことで、腸内には1000種以上、100兆個を超える細菌が棲みつき、腸壁を覆って生息している。その多種多様な菌の様子をお花畑になぞらえて「フローラ」と呼ばれるように。フローラは口腔内や皮膚にも存在する。
シンバイオシスって何?
理想的なフローラバランス、菌バランスが取れた状態のこと。全身シンバイオシスを目指すのが菌活のゴール!
そもそも「菌」はなぜ体にいいの?
菌の大きな役割は「代謝産物を作り出すこと」。その代謝産物の代表格が短鎖脂肪酸で、ビフィズス菌から産生される酢酸、フィーカリ菌などから産生される酪酸など。こうした物質が体をがんから守ったり、痩せ体質にしたり、自律神経を整えたりしてくれるのだ。
人生が変わる菌活!
Photos: John Chan Illustration: Masami Edit & Text: Naho Sasaki