香里奈「いつまでも甘えていられない」 | Numero TOKYO
Interview / Post

香里奈「いつまでも甘えていられない」

自分自身の今に影響を与えた人物や、ターニングポイントとなった出来事、モノ、場所との出会い。それをきっかけに変化し成長した自分を振り返る。香里奈のビフォー&アフター。

#104_きっかけ1
#104_きっかけ1

──アドラー心理学をわかりやすく説いた大ベストセラーを原案にしたドラマ『嫌われる勇気』で、主人公の刑事、庵堂蘭子を演じる香里奈さん。対話形式の原案をもとに、刑事ドラマとしてユニークに再構成されていますね。

「単純に刑事ドラマとしても楽しめる内容ですし、アドラー心理学の要素がわかりやすくちりばめられているので、原案を知らない方でも楽しみながら理解していただけると思います」

──主人公の蘭子はアドラーの理論を体現している人物で、はっきりものを言うタイプですが、ご自身と共通する部分はありますか?

「蘭子はもともとアドラー心理学の考えが身に付いているので、私とは全然違うタイプの人です。蘭子は自分の気持ちや感情をそのまま伝えてしまうので、言い方は極端に聞こえますが、少し言い回しを変えてみると、自分でも実践できることなのかなと思うことはあります。言い方はともかく、自分の気持ちをしっかり伝えることは大事なことだなと演じていて感じました」

──香里奈さんのクールな印象は、蘭子と似ているように感じます。

「そうですか(笑)? 私は蘭子のように強くないですよ(笑)。ただ、仕事においてはあまり群れるほうではないかもしれないです」

──“嫌われる勇気を持ち得たとき、人は初めて自分だけの人生を歩み始めることができる”というアドラー心理学には共感しますか?

「蘭子のように100%実践することは難しいと思いますが、言っていることはよくわかります。その考え方を知って、意識するだけでもすごく気持ちが楽になると思うんです。視聴者の方にもそんなふうに共感してもらえたらうれしいです」

──ご自身は自分を貫くタイプ?

「ただの自己中心的な人間になるのも嫌ですし…。相手に不快な思いをさせないような言い方を考え、自分の思っていることもなるべく伝えられるようにしたいなと心がけています」

──かなり気を使うタイプですね。

「A型なので(笑)。やはり日本はイエスかノーの世界ではないですし、伝え方は考えます。自分を理解してくれている人ならストレートに言えますが、誰に対しても自分を貫くというのは、勇気がいることだと思います。蘭子も言い方を変えれば、もうちょっと違うイメージを持たれると思いますけどね(笑)。日本は協調性を大事にしますし、周りの状況も考慮しないといけない。でも自分の意見は言いたいと思いますし、周りにも言ってほしい。お互いにきちんと言い合える関係になれたらいいですよね。“言わなくてもわかってほしい”というのは苦手です。それに私はそんなに人の気持ちが読めるほうではないので、できるだけ言ってもらえたほうがありがたいです」

プレッシャーには慣れました

Photos:Gen Saito
Styling:Keiko Watanabe
Hair & Makeup:Shio
Interview & Text:Mari Higure
Edit:Saori Asaka

Profile

香里奈(Karina)1984 年生まれ、愛知県出身。15歳でモデルデビュー。2000年から14年まで『Ray』にて専属モデルを務め、現在は『GINGER』のレギュラーモデル。01年にドラマ『カバチタレ!』で女優デビューし、以降ドラマ『だいすき!!』や映画『ガール』など多くの作品で主演。1月スタートの木曜劇場『嫌われる勇気』(フジテレビ系 毎週木曜22:00~)に出演中。

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