ソフィア・コッポラ監督の『SOMEWHERE』をご存知だろうか。ヴェネツィア国際映画祭ではBlack Swanを押さえて金獅子賞を受賞した名作で、まあ賞なんて受賞しようがいまいが『Eternal Sunshine』と並んでボクが大好きな映画である。バツイチ子持ちなど主人公と状況が被り過ぎていて、感情移入が過ぎるあまりラストで号泣した。鼻水もたくさん出たと思う。一緒に見に行った女友達はさぞかし驚いたことだろうな照。
『サムウェアー』では、ストーリーもさることながら、舞台としてのホテル『シャトー・マーモント』がそれはそれは魅力的な場所として登場する。主人公がテラスで電話をしていると、階下のテラスからいきなり女性がおっぱいを見せて誘惑をしてくるからでも、向かいの部屋に宿泊中の見ず知らずの女性といきなり主人公がチョメチョメ(©山城新伍)することになるからでもない。いや、ちょっとある。ちょっとあるんだけど、単純に、すごく、『居心地の良い他所(よそ)』として描かれていたからだ。
この映画を切っ掛けにボクは『ホテル』というものにすごく興味を持つ様になったし、その興味は元々あったボクの移動癖をひどく強くした。例えば2014年7月現在、世界一周の旅をしている。仕事もせずに。いい歳なのに。ひどい。でもそれを見るに見かねたヌメロ伊藤ちゃんのご配慮で、この記事からNumero bloggerとしてお世話になることになった。すごく好きな媒体さんだけに、「かっこいいね」「おしゃれだね」の単純な羅列をすることは避けたいと思う。すごく高い望みにはなるけれど、ボクにとっての『SOMEWHERE』的な、誰かに少しでも影響を与える要素が入れて行ければ。
今回の滞在では、主人公のスティーヴン・ドーフ演じるJohnny Marcoと同じ部屋を取った。エル・ファニング演じる娘Cleoとギターのゲームやっていたテレビも、Cleoがパスタを作っていたキッチンも、それを二人が食べるダイニングテーブルもある。もはやコスプレに近い気がする。テンションがアガって「悪いんだけど、今からLAに来て階下のテラスからおっぱい出す役やってくれないかな」と某Numero bloggerにLINEしたけど断られた。まつゆう*はとても賢明な判断をしたと思う。新しい事務所への所属おめでとう。
ということで誰もおっぱいを見せてくれなかったにも関わらず、とにかく居心地が良かった。個人的な『SOMEWAHERE』への思い入れを差っ引いたとしても、とても良い部屋だと思う。初見だけアガるモダンな内装(個人的には好きではない)と比べて、ここはジワジワかわいい。「ジワジワかわいい」のはとても良い。ホテルでも、自宅でも、女性でも。とりあえずこんな「ジワジワかわいい」自宅を目指してみようと思う。「ジワジワかわいい」女性なんて高望み過ぎると思うので、謙虚に自宅から。
スタンダードホテル系列の中でも異色の『シャトー・マーモント』だが、「古城のような」と表現されるだけあって部屋以外の共有部分もとても楽しい。宿泊されたらとにかくウロウロしてみて欲しい。バンガローなどもあるので庭園の道が多岐に渉っている。有名な卓球台もある。プールもある。大仏も浮いている。レストランもすごくかわいいので、朝メシを食うのもいい。有名人に会えるかもしれない。ちなみにボクが宿泊する二日前までは、実際にソフィア・コッポラが泊まっていたらしいですよ。
Chateau Marmont(シャトー・マーモント)
住所 :8221 SUNSET BOULEVARD, HOLLYWOOD, CALIFORNIA 90046
TEL :(323) 656-1010
FAX :(323) 655-5311
Web :chateaumarmont.com
by NKYMN
Photography NKYMN w/OLYMPUS OM-D E-M5
このエントリーは同様の内容で『dre55ing.jp』にも掲載されています。
http://dre55ing.jp/2814