2010年代のファッションをたどる「login to the self」展 @WALL_alternative | Numero TOKYO
Art / News

2010年代のファッションをたどる「login to the self」展 @WALL_alternative

メインビジュアル
メインビジュアル

西麻布の「WALL_alternative」にて、2010年代のファッションを再考する展覧会「login to the self」が開催される。会期は10月24日まで。

本展は、気鋭のプロデューサー、ライターとして活動する倉田佳子(※1)が企画・キュレーションを手がける初の展覧会。制度的な記録からこぼれ落ちてきた文化を捉え直し、体系化するプロジェクトの第一弾として、2010年から15年までの日本のファッションに焦点を当てる。

(※1)参考記事:Numero.jpアーティストコーディネーター、倉田佳子がナビゲート! “現代アート+α” の複合スペース

本展の企画・キュレーションを手がける倉田佳子
本展の企画・キュレーションを手がける倉田佳子

スマートフォンやSNSが普及し、ファッションやカルチャーと出会う場所がストリートからインターネットへと広がった2010年代初頭。当時は、TumblrやTwitter、ニコニコ動画など新たなプラットフォームを通して、個人やブランドが直接発信し、独自のコミュニティやスタイルを生み出していた。

倉田はこの時代を「他者を見て、自らも見られる」というストリートの構造がインターネットへと移った時期と捉え、「インターネットそのものが、新たなストリートになった」と話す。さらに、部屋にいながら社会とつながることが可能になったことで、衣服もまた身体を覆うものにとどまらず、社会と接続するインターフェースやアバターとしての役割を持つようになったという。

BALMUNG
BALMUNG

chloma
chloma

会場では、BALMUNG、chloma、HATRA、rurumu:といったブランドの当時の貴重なコレクションを展示。さらにBODYSONG.やスタイリスト・小山田孝司の協力による2000〜2010年代の古着を、部屋を思わせる空間のなかに並べる。ファッションだけでなく、アートや音楽、パフォーマンスなど、当時のカルチャーと接続していたさまざまな表現も紹介される。

杉野龍起
杉野龍起

Jin Okuma
Jin Okuma

参加するのは、2010年代の日本のファッションシーンを象徴するブランドや作家に加え、杉野龍起(DODI)、Jin Okuma、Ryu Utsunomiya、菅原玄奨ら。衣服や身体、都市、インターネットといったテーマを横断しながら、当時の空気を立体的に浮かび上がらせる。

2010年代初頭のファッションは、現在再び参照されているスタイルの一つでもある。一方で、当時の雑誌が相次いで休刊・廃刊となり、インターネット上の記録も閉鎖されたブログやTumblr、SNSなどに分散するなど、その文化は十分に記録されてこなかった。本展では、こうした過渡期を単なるリバイバルとして振り返るのではなく、現在へとつながる大きな転換点として捉え直す。

会場風景
会場風景

「login to the self」というタイトルのもと、過去のファッションやカルチャーを振り返りながら、インターネットとともに変化してきた私たちの身体や自己のあり方について考える本展。ぜひ会場で、その世界を覗いてみてほしい。

「login to the self」
会期/2026年10月1日(木)~10月24日(土)
会場/WALL_alternative
住所/東京都港区西麻布4-2-4 1F
時間/18:00〜24:00
休廊/日曜
URL/https://avex.jp/wall/exhibition/885/

Text:Hinako Yano

 

Magazine

NOVEMBER 2026 N°201

2026.9.28 発売

My Own Standards

マイスタンダードの見つけ方

オンライン書店で購入する