
現代における時間の意識を、半世紀後の未来の視点から捉え直す展覧会が開催中。東京・表参道のGYRE GALLERYにて、2026年7月12日(日)まで。
気候変動やテクノロジーの変容を経た50年後の未来の視点から、現代の人間や社会のあり方に向き合う本展「SPECTRUM 2076 AD ── 来たる世界の意識体」。音響や絵画、インスタレーションなど多様な表現方法を通して、人間の知覚が変容した先の世界像を浮かび上がらせる実験的試みだ。
参加アーティストには、宇宙的な視点から生命や精神性を見つめてきた森万里子、作品を通して鑑賞者の身体感覚との接続を探求してきた名和晃平、AIなどの新技術を取り入れながら過去と現在の交差を表現する草野絵美らが名を連ねる。

また、小誌『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』でも紹介した気鋭アーティストの熊谷亜莉沙(※1)にも注目したい。個人的な記憶や感情を起点としながら、生と死、愛憎、経済格差など、社会に潜む二面性を描き出していく。
さらに、即興電子音楽家・作曲家の池田謙、油彩を手がける牧田愛、複合的な芸術体験を探求する山田晋也も参加。AIや拡張知覚、生命観の変化といったテーマを軸に、フランスの哲学者の思想にも着想を得ながら、人間中心主義を超えた世界のあり方へと視野を広げる作品を展開する。
(※1)参考記事:Numero.jp「アートが映す装飾のゆくえ」

なお、本展タイトルの「スペクトラム」は、光の波長分布を意味する科学用語であると同時に、亡霊や不安の影などを意味する「Specter」の概念とも接続。鑑賞者は、可視と不可視、身体と情報、現実と虚構といった境界を横断しながら、人間の知覚や存在をめぐる世界とへと足を踏み入れる。
ぜひ、お見逃しなく。
※掲載情報は6月5日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。
SPECTRUM 2076 AD ── 来たる世界の意識体
会期/2026年5月22日(金)〜7月12日(日)
会場/GYRE GALLERY
住所/東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F
料金/無料
時間/11:00〜20:00
休廊/会期中無休
TEL/0570-05-6990(ナビダイヤル)
URL/gyre-omotesando.com/artandgallery/spectrum/
Text:Manami Abe
