
東京都写真美術館にて「TOPコレクションDon’t think. Feel.」展が開催されている。TOPコレクションは、約39,000点にもおよぶ写真や映像作品などの収蔵作品から、さまざまな切り口で紹介する展覧会。今回のテーマは、AI時代における「感触」。ブルース・リーの言葉「Don’t think. Feel.」を手がかりに、5つのテーマで構成するオムニバス形式の展覧会。2026年6月21日(日)まで。

5つのテーマで構成される本展の第1室は「Don’t think. Feel.」。香港の武術家であり俳優、哲学者ブルース・リーの言葉から。「考えるな、感じろ」の言葉のままに、身体を通して「感じること」を味わう作品が並ぶ。

第2室は「家族写真の歴史民俗学」。文化史研究の川村邦光の著作『家族写真の歴史民俗学』(ミネルヴァ書房 2024年)を展示化。19世紀から現代までの家族写真の構図や撮影背景を分析し、家族の社会表象について、考察のテキストと合わせて展示される。

そして第3室は「川内倫子〈Illuminance〉」。写真シリーズ「Illuminance」や同名の映像作品、映像作品『M/E』などが展示。”光の照度”を意味する「Illuminance」シリーズは、2012年に開催された個展「照度 あめつち 影を見る」でも展示された川内の代表作。さらに本展では映像作品『Illuminance』最終バージョンが公開。流れていく日常の時間、つかめるはずのない光に触れたような感覚になる。

第4室は「記憶の部屋」。街のスナップショットや、都市の風景、かつてそこにあったという感覚や見たことがある記憶に出会うような作品がならぶ。街の景色、いつか感じた湿った空気。よみがえる自分の感覚と向き合いながら、記憶装置としての写真について考えたくなる。

最後の第5室は「イメージの奥にひそむもの」。画面上のイメージの奥にある、作家固有の感性や感覚を探る。写真固有の芸術表現を追求した中山岩太の戦前の作品から、森村泰昌や吉田志穂ら現代の写真まで、想像力に働きかける作品が並ぶ。

写真と向き合ったときに湧き上がる感覚は人それぞれ。実体のないAI時代だからこそ、自分が目の前にある作品から感じることを確かめてほしい。

また、ダンサー・映像作家である酒井直之が講師をつとめるプログラム「ダンス・ウェル」が5月23日に開催予定。作品をゆったりとあじわい、からだ全体で表現してみる試み。こちらもぜひに。
TOPコレクション Don’t think. Feel.
期間/2026年4月2日(木)~6月21日(日)
会場/東京都写真美術館 3F展示室
休館日/毎週月曜日(5/4を除く)および5/7(木)
料金/一般 700円、学生 560円、高校生・65歳以上 350円
URL/topmuseum.jp
Text:Hiromi Mikuni
