ダニエル・ビュレン、新作がSCAI THE BATHHOUSEにて公開 | Numero TOKYO
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ダニエル・ビュレン、新作がSCAI THE BATHHOUSEにて公開

Photo-souvenir : Découpé / Étiré, travail in situ, 1985, in « Fare, Disfare, Rifare, lavori in situ e situati, 1968-2025 », Pistoia, mars 2025. Détail © DB-ADAGP Paris
Photo-souvenir : Découpé / Étiré, travail in situ, 1985, in « Fare, Disfare, Rifare, lavori in situ e situati, 1968-2025 », Pistoia, mars 2025. Détail © DB-ADAGP Paris

作品が置かれる現場で一貫してストライプを展開するなど、美術界に新風を吹き込み、60年以上にわたるキャリアの中で美術とそれを枠組み化する構造との関係性を生み出してきたダニエル・ビュレン。精力的な活動を続ける現在、日本での新作が東京・谷中のSCAI THE BATHHOUSEにて公開中だ。

1960年代以降、60年以上にわたる活動を展開し、コンセプチュアル・アートの地平を切り拓いてきたダニエル・ビュレン。「ゼロ度の絵画」と名付けた8.7cm幅の白とカラーのストライプ柄は、パレ・ロワイヤル中庭に設置され論議を巻き起こした『Les Deux Plateau(二つの台地)』(通称「ビュレンの円柱」)をはじめ、場の構造をサイト・スペシフィックな作品、およびパブリック・プロジェクトの基軸ともなり、現在も世界中で展開され続けている。

 Photo-souvenir : L’Observatoire de la Lumière, travail in situ, Fondation Vuitton, Paris, 2016. Détail ©DB-ADAGP Paris
Photo-souvenir : L’Observatoire de la Lumière, travail in situ, Fondation Vuitton, Paris, 2016. Détail ©DB-ADAGP Paris

本展では、6点におよぶビュレンの新作『Prismes et mirroirs : Haut-relief(プリズムと鏡 :高浮き彫り)』が公開。インダストリアル・カラー・パレットからランダムに選ばれた色彩が“、「Prisme」と作家が呼ぶ凸状の形態に塗布され、鏡面様の支持体の上に配置されている。作品が置かれる環境と作品との関わりについて考察を続けているビュレンの、「光」や「反射」への深いアプローチとも言えるだろう。なお代名詞的なストライプ柄は三角のPrismeの側面に表現。布、キャンバス、ポスターと媒体を変えながらも、決して変わることのないビュランの視覚言語であると同時に、与えられた場所ごとに無数のヴァリエーションを生み続けるという、矛盾と思索に満ちた実践の軸を感じさせる。

SCAI THE BATHHOUSEの建築や、高い天井から差し込む自然光の移り変わりといった環境の諸要素が作品と共鳴する様にも注目だ。半世紀以上におよぶ実践を持続させる「我々は何を見ているのか」という問いが、ビュレンの作品とともにポスト・トゥルースの時代にある今日、より一層の時宜を得て真価を発揮する機会となりそうだ。

ダニエル・ビュレン「Third Eye, situated works – 知覚の拡張-そこにある眼差し」
会期/2026年3月17日(火)〜2026年5月9日(土)
会場/SCAI THE BATHHOUSE
住所/東京都台東区谷中6-1-23
時間/12:00〜18:00
料金/日・月・祝日休廊
URL/www.scaithebathhouse.com

Text:Akane Naniwa

 

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