2025年には金沢21世紀美術館、下瀬美術館、タグチアートコレクションと、日本の美術館でのグループ展参加が続き、国内でも注目を集めるサム・フォールズ。日本では初個展となった前回に続き、小山登美夫ギャラリー六本木(東京・六本木)にて2度目の個展を開催中だ。

大気、植物、光、時間、そして自然の偶然性との緊密なコラボレーションを通じて、美学と環境を深く結びつける共生的な芸術アプローチを確立してきたサム・フォールズ。主に屋外で植物や大気と向き合い、自然環境とコラボレーションするように制作に取り組んできた。太陽や雨という自然の要素と直接向き合いながら作品をつくることで、環境と共生しながら自然を親密に表現し、人は自然の中に存在していることを示すアートを創造してきた。
(参考)自然との対話を生み出す。サム・フォールズの日本初個展
本展では新作ペインティングや陶器作品を公開。新作『Ikebana』シリーズは2025年に草月プラザ(東京・赤坂)でのザ・ノース・フェイスとのコラボレーション展の際に、生け花作品からインスピレーションを得て生まれた作品だ。
陶器部分に花を挿す花瓶のような要素を取り入れ、実際に東京の生花のアレンジメントが施された。日本での展示とのつながりや、生命の儚さ、自然の循環など、作品そのものが独自の生命を宿しているようである。

また『Bellows』シリーズは、フォールズのロサンゼルスの庭にて制作された「雨の絵画」だ。大判カメラのベローズ(蛇腹)越しの光景を基に、中央のイメージは雨や天気への単一露光、その周囲が雨や再生する植物の二重露光、さらに外縁部が植物と雨への三重露光となっており、美しい被写界深度と彼の制作プロセスを視覚的に表した。プロの写真現場から次第に姿を消しつつあるフィルム写真が、今なお持続する影響力へのオマージュも込められている。
『Tower of Light』は、アルミ製のI ビームにセラミックを「走らせ」たもの。セラミックの各ラインは、ロサンゼルスの公共自然保護区であるグリフィス公園のトレイルハイキングで集めた植物で構成されている。支える構造は、都市開発における現代建築の一般的な素材であるI ビームだ。この有機的な素材とテーマが、自然体験とクリエイティブな時間・場所の両方を指し示す。

「時の経過を受け入れ、希望を感じる情緒的な表現で、いつも作品で取り扱いたいと思っていました。(中略)成長と衰退、それらの組み合わせが根底にあるのです」と語る、サム・フォールズ。時間、生、死、自然という大きなテーマの深淵を追求しつつ、常に新たな手法に挑み表現を続ける作家の姿にぜひ注目したい。

サム・フォールズ展
会期/2026年1月24日(土)〜2月28日(土)
会場/小山登美夫ギャラリー六本木
住所/東京都港区六本木6-5-24 complex665 2F
時間/11:00〜19:00
休廊/日月祝
URL/www.tomiokoyamagallery.com/exhibitions/sam2026/
Text:Akane Naniwa
