
草間彌生、三島喜美代、坂上チユキ、谷原菜摘子によるダイアローグ展「創造と破壊の閃光」が、東京・表参道のGYRE GALLERYにて開催。会期は、2025年5月14日(水)〜6月15日(日)まで。

1957年に渡米した草間彌生は、展示空間全体を体感させる巨大作品を次々に発表。過激な反戦運動やパフォーマンスを繰り広げることで、マスメディアがベトナム戦争の恐怖を連日報道するアメリカ社会に対して、平和と愛の強烈なメッセージを表現し続けた。
本展は、戦争経験をした草間(1929年生まれ)と、戦後高度経済成長による大量消費社会時代の精神を共有した三島喜美代(1932-2024)、そして光と闇、生と死、自己消滅を特徴とする草間の世界観と「自身の負の記憶と人間の闇を混淆した美」が交錯する谷原菜摘子(1989年生まれ)の作品、さらに、種苗業を営む旧家に生まれた草間の自然観と通底する坂上チユキ(1961-2017)の太古の楔形文字のような無数の形が一つの宇宙を形成する作品、それぞれの対話によって構成される。

また本展では、草間へのオマージュとなった、フランスの哲学者/精神分析家のフェリックス・ガタリの次の言葉を次世代のアーティストへ向けたメッセージとして記している。
「草間彌生は我々の世界に再び夢を与える。“ビートジェネレーション”の創造的/破壊的年月の閃光のごとく——しかし何という代償を払って!——通り抜けたこの女性は、我々の眼前で、最も予測不能な未来の感性を創出する偉大な現代アーティストとして再生する」
(フェリックス・ガタリのテキスト「草間彌生の豊饒な感情」フジテレビギャラリー個展カタログ1986年より)

草間彌生と3人の現代アーティストの作品が交わす強烈なダイアローグを体験しに、この機会にぜひ足を運んでみたい。
※掲載情報は5月23日時点のものです。
開館日時など最新情報は公式サイトをご確認ください。
「創造と破壊の閃光」展
会期/2025年5月14日(水)〜6月15日(日)
会場/GYRE GALLERY
住所/東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F
開館時間/11:00〜18:00
URL/https://gyre-omotesando.com/artandgallery/flashes-of-creation-and-destruction/
企画/飯田高誉(スクールデレック芸術社会学研究所所長)
Text : Akiko Kinoshita
