
2025年、創造性を通じたコミュニティの共創をテーマに、日本国内でアートプロジェクトを多面的に展開し始めたグッチ(Gucci)。そのメインの取り組みとして、日本を代表するアーティスト・横尾忠則の展覧会が、東京・銀座のグッチ銀座 ギャラリーにて開催中だ。
2020年にグッチ渋谷 ミヤシタパークのオープニングを飾ったウィンドウ アートプロジェクトから深いつながりを持つグッチと横尾忠則。ダイナミックで創造的なコラボレーションをさらに発展させ、本展「横尾忠則 未完の自画像 – 私への旅」が開催となった。
テーマである「未完」とは、芸術の創造性は完成された瞬間よりも、むしろ未完成であることにこそ宿るという横尾の一貫した美学に基づいたもの。1960年代より約60年にわたって、千変万化するスタイルと森羅万象に及ぶテーマを駆使しながら数々の作品を生み出してきた横尾は、ひとつの完成形にはとどまらず、常に変貌と挑戦を繰り返してきた。そうした姿勢がグッチのブランドとしてのあり方と共鳴し、本展が実現したという。

美術評論家の南雄介によるキュレーションのもと、「旅」を想起させるテーマを描いた作品を中心に、今回初公開となる自画像や家族の肖像など最新作6点を含めた約30点の作品が紹介される。また、1970年の大阪万博で大きな話題を呼んだ横尾による「未完」のイメージを、シンボリックに提示した真っ赤な足場のインスタレーションを本展のために再現した作品もダイナミックに展開中だ。世田谷美術館(東京、6月22日(日)まで)で開催中の「横尾忠則 連画の河」と合わせ、横尾忠則の世界を堪能したい。

※掲載情報は5月3日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。
「横尾忠則 未完の自画像 – 私への旅」
日時/2025年4月23日(水)〜8月24日(日)
会場/グッチ銀座 ギャラリー
住所/東京都中央区銀座4-4-10 グッチ銀座 7階
時間/11:00〜20:00(最終入場19:30)
料金/無料(優先予約制)
予約URL/line.me/R/app/1601842270-wAXNyj2g
URL/www.gucci.com/jp/ja/nst/gucci-ginza-gallery
Text:Akane Naniwa
