安野モヨコ、名和晃平、KYNEら85名が参加「浮世絵現代」展 | Numero TOKYO
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安野モヨコ、名和晃平、KYNEら85名が参加「浮世絵現代」展

※「浮世絵現代」会場写真
※「浮世絵現代」会場写真

多様なジャンルで活躍するアーティストやクリエイターら85名が参加し、日本の伝統木版画「浮世絵」の新たな表現を探る展覧会「浮世絵現代」が、東京・上野の東京国立博物館 表慶館にて開催中だ。

江戸時代の文化の中で独自に発展し、力強く華やかな芸術として生み出された浮世絵。「浮世」という言葉には「当世風の」という意味があり、浮世絵は時代と社会を色鮮やかに映し出すメディアであった。写楽や歌麿、北斎などの浮世絵を生み出した職人の高度な木版画の技術は、現代まで受け継がれている。

本展では、伝統木版画の表現に魅了されたさまざまなジャンルのアーティスト、デザイナー、クリエイターたちが現代の絵師となり、アダチ版画研究所の彫師・摺師と協働し制作した「現代」の「浮世絵」を紹介する。

第1章では、水木しげる、楳図かずお、安野モヨコら漫画家たちが挑んだ「現代の浮世絵」を公開。なじみ深いキャラクターたちが、伝統木版画の世界へと誘っていく。

※「浮世絵現代」会場写真
※「浮世絵現代」会場写真

第2章では「北斎賛歌」をテーマに、北斎のすぐれたデザイン感覚に触発された日本のデザイナーらを紹介する。主に浅葉克己、佐藤晃一らが参加。木版画の素材・技法の特性を理解し、北斎のデザインの現役性を引き出していることが見て取れるだろう。

※「浮世絵現代」会場写真
※「浮世絵現代」会場写真

※「浮世絵現代」会場写真
※「浮世絵現代」会場写真

また、1970年〜2000年代にかけて伝統木版画の彫師・摺師たちと新たな浮世絵を制作することを試みた絵師の作品を第3章で公開。和田誠、黒川紀章など多彩なラインナップが揃う。第4章では2010年代以降に制作された「現代の浮世絵」を公開。横尾忠則草間彌生田名網敬一、名和晃平、KYNEなど世界で活躍するアーティストが勢揃いだ。

※「浮世絵現代」会場写真
※「浮世絵現代」会場写真

伝統木版画の技術を継承する彫師・摺師は、現在国内に50名ほどだという。木版画の素材の生産者や道具をつくる職人も減少する中、浮世絵の技術を次代に継ぐことを目的にアダチ伝統木版画技術保存財団が設立された。最終章では近藤聡乃、ピーター・マクドナルドらが参加し、同財団が企画・監修した木版画作品を紹介する。

※「浮世絵現代」会場写真
※「浮世絵現代」会場写真

総勢85名のアーティストたちの木版画を通して、現代から未来に続く伝統の可能性を目撃したい。ぜひお見逃しなく。

※掲載情報は5月4日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

「浮世絵現代」
会期/2025年4月22日(火)〜6月15日(日)
会場/東京国立博物館 表慶館
住所/東京都台東区上野公園13-9
時間/9:30〜17:00 ※毎週金・土曜、5月4日(日・祝日)、5日(月・祝日)は20:00まで開館 ※入館は閉館の30分前まで
休館日/月曜、5月7日(水)※ただし4月28日(月)、5月5日(月・祝日)は開館
URL/www.tnm.jp/

Text:Akane Naniwa

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