
2025年3月4日(火)15:00(現地時間)、ディオール(Dior)が2025-2026年秋冬コレクションをパリのチュイルリー庭園で発表した。会場にはジャパン アンバサダーの新木優子をはじめ、ジス(BLACKPINK)、ミンギュ(SEVENTEEN)、ナタリー・ポートマン、リリー・ジェームズをはじめとするゲストがフロントローを飾った。

ウィメンズ クリエイティブ ディレクターのマリア・グラツィア・キウリは、ファッションを「変容のためのベクトル」と捉え、コレクションにおいてディオールの歴史を再解釈。ファッションが文化的、美的、社会的なコードを主張する力を持ち、衣服が現代の欲求や身体にどのように応えていくかを探求した。
キウリは、ファッションを自分らしく表現する手段として提供し、衣服の可能性を広げることだと考え、今回のコレクションでは、キウリ自身がジェンダーのステレオタイプから解放された服装の基礎的な要素であると考えるホワイトシャツと、ジャンフランコ・フェレによって考案されたシルエットが呼応し、新たな表現を生み出した。
ジャンフランコ・フェレがディオールの建築的アプローチを体現する重要なインスピレーション源を担い、今回のコレクションには彼の影響を色濃く反映したデザインが見受けられる。また、ルックの中にはヴァージニア・ウルフの小説『オーランドー』の主人公が着用していた「ひだ襟」を進化させた、可変的な襟のフリルが登場。これらの変容的要素は、時代やジャンルに縛られない美の表現を示している。

ショーは、ロバート・ウィルソンによる視覚的演出のもと、変化し続ける世界を描き出した。色の変化、シーンの転換が特徴的で、ブランコ、先史時代の鳥、岩、クレーター、氷山が次々に現れた。また、ジョン・ガリアーノによってデザインされた「ジャドール ディオール」Tシャツも復刻され、カットアウトやアップリケ刺繍が施された新しいアイテムとともに登場。
その他、バロックパールをあしらったブラックベルベットのリボンや、マットブラックのフェルトを使ったストラクチャードコートなど、ディオールならではのテクスチャーとディテールが表現された。シルエットは、丸みを帯びたショルダーやビスチェとの組み合わせで、マスキュリンとフェミニンが交錯するデザインが際立つ。実用的なレインコートなどもアンサンブルに取り入れられ、ウェアラブルなアイテムも。過去と未来をつなぎ、現代的な視点で新たなファッションを描き出した。
Dior
クリスチャン ディオール
TEL/0120-02-1947
URL/www.dior.com
Photos: ©️DIOR(Runway), ©️GETTY(Celebrities)