大阪・東梅田に新たなギャラリー「ICHION CONTEMPORARY」がオープン。世界的建築家の安藤忠雄が設計を手がけた注目のスポットだ。オープニング記念展として「GUTAIは生きていた」が2025年5月3日(土)まで開催中。
約1,300年前の奈良時代から諸外国とのつながりに欠かせないエリアだったという、大阪市北区野崎町。奈良時代には中国大陸やインド、アジア地域よりさまざまなものが日本に伝わり、野崎町はこうした交易品の保管地として歴史的に重要な役割を担ってきた。そうした先人が築いてきた文化的・歴史的遺産に敬意を払い、「東梅田に位置する野崎町に文化交流の発信拠点となるギャラリーを作り、大阪から世界へ美を伝播していく」という想いを掲げ、ICHION CONTEMPORARYがオープンした。
ギャラリーの設計は、大阪出身の建築家・安藤忠雄によるものだ。土地幅4メートルの限られた立地ながら、既成概念を打ち破り挑戦し続ける安藤の考えのもと、コンセプトワークや設計が行われたという。建物は安藤建築の特徴である打ち放しコンクリート建築で、地下1階から地上5階までの6層構造だ。
オープニングを記念し、具体美術協会の作家に焦点を当てた「GUTAIは生きていた」が開催中。具体美術協会の会員であった向井修二が『建築は凍れる音楽』というゲーテが好んで用いた一節を引用したテーマのもと、安藤建築に着想を得たインスタレーションを展示している。
また、白髪一雄や吉原治良をはじめとする具体美術を代表する作家の作品も公開。GUTAIの過去と現在が交錯する空間となった。ギャラリー、建築家、作家らの「挑戦心」が響き合うことで、新たな表現が生まれ、GUTAIの生命力を再発見する機会となりそうだ。新たなギャラリーの動向に、ぜひ注目を!
※掲載情報は2月1日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。
「GUTAIは生きていた」
会期/2025年1月13日(土)〜5月3日(土)
会場/ICHION CONTEMPORARY
住所/大阪市北区野崎町9-7
時間/11:00~18:00
休館日/日・月・祝日
URL/ichion-contemporary.com/
Text:Akane Naniwa