UNDERCOVERの高橋盾による香港での初個展「Peaceable Kingdom」が開催
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UNDERCOVERの高橋盾による香港での初個展「Peaceable Kingdom」が開催

高橋盾 『Lonely Man』 (2024年) Courtesy of the artist and WKM Gallery
高橋盾 『Lonely Man』 (2024年) Courtesy of the artist and WKM Gallery

高橋盾による個展「Peaceable Kingdom」が、香港のWKM Galleryにて開催。会期は、2024年10月25日(金)〜12月14日(土)まで。

高橋盾 『Room of abandonment』 (2024年) Courtesy of the artist and WKM Gallery
高橋盾 『Room of abandonment』 (2024年) Courtesy of the artist and WKM Gallery

アンダーカバー(UNDERCOVER)の創設者として知られる高橋は、ファッションの仕事と並行して、10年以上絵画を描き続けてきた。2023年には、初めて油絵の個展を開催し、大きな話題を呼んだ。

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今回の展示では、30年に渡る創造力の源である、その暗くシュールレアリスティックな世界をより深く体現。すべて新作で構成され、2025年春夏メンズコレクションのモチーフとなった3点のキャンバス作品も初公開する。

高橋盾 『Future Days』 ( 2024年) Courtesy of the artist and WKM Gallery
高橋盾 『Future Days』 ( 2024年) Courtesy of the artist and WKM Gallery

パティ‧スミスの同名の曲に触発された本展では、夢のような風景の中に描かれた歪んだ肖像や抽象化された人物像、リンゴや雲といったモチーフが点在し繰り返し描かれた作品を発表。赤い水たまりに溶け込み、空間に浮かびあるいは消えていくように描かれたリンゴは、純真さと衰退の複雑に絡み合った性質を象徴する。雲は展示全体に染みゆくような希望の余韻を生み出している。

高橋盾 『Poison Apples』 (2024年) Courtesy of the artist and WKM Gallery
高橋盾 『Poison Apples』 (2024年) Courtesy of the artist and WKM Gallery

2016年から人物画に取り入れられた目を覆う影のような特徴的なモチーフは、匿名性を与えるとともに、自身の文化的文脈を超えた普遍性を放つ。この表現について高橋は「その人物の『視点』を吸収し、自らの一部として反映する方法」であると説明。高橋が心惹かれるという不完全さや、未完成で断片的なものから生まれる美しさをも映し出す試みだ。

ファッションとアート界で最も影響力のある一人、高橋盾の海外で初となる大規模個展「Peaceable Kingdom」。彼の根底にある緻密に作り上げられた世界観に、どうぞご注目を。

※掲載情報は11月7日時点のものです。
開館日時など最新情報は公式サイトをご確認ください。

「Peaceable Kingdom」
会期/2024年10月25日(金)〜12月14日(土)
会場/WKM Gallery
住所/20/F Coda Designer Centre, 62 Wong Chuk Hang Road, Hong Kong
URL/https://www.wkm.gallery/jun-takahashi-peaceable-kingdom

Text : Akiko Kinoshita

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