高橋盾が油絵の初個展「THEY CAN SEE MORE THAN YOU CAN SEE」を開催 | Numero TOKYO
Art / Feature

高橋盾が油絵の初個展「THEY CAN SEE MORE THAN YOU CAN SEE」を開催

油絵の個展を開催する。高橋盾が小誌にそう語ってから約半年。本ページ掲載作品と本人の言葉を手がかりに、私たちは何と向き合うのか。アンダーカバーとは異なる顔が浮かび上がる“目のない眼差し”の絵画展。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2023年9月号掲載)

展示予定の絵画作品より、今回の記事掲載用に選んでくれた1点。かねてより原宿のオフィスの自室に飾られており、その様子を撮影した写真。
展示予定の絵画作品より、今回の記事掲載用に選んでくれた1点。かねてより原宿のオフィスの自室に飾られており、その様子を撮影した写真。

自分が面白いと思えることをやるしかない——小誌4月号のロングインタビューで高橋盾が語った言葉。1990年にアンダーカバーを立ち上げて以来、常に時代の波頭を走り続けてきた。時には仕事とは異なる意識状態で、絵の制作に没頭することも。コレクションと個人名義の作品。いわばそれは彼の創造領域の両輪にして、自己を見つめ、破壊と創造を繰り返していく精神上の駆動原理なのかもしれない。

絵筆を手に、彼は何を目指すのか。自身初となる油絵の個展に寄せて、メッセージが届いた。

「8年前くらいから完全な独学で油絵を描き始めました。そのなかで目のないポートレイトを描いたときに少し自分の世界観が表現できてきたなと感じ、今までやったことのない油絵の個展を志しました。そうして描き進めていくうちに、キャンバス一枚一枚にポートレイトにまつわる物語のようなイメージを描き加える方向にたどり着きました。こうして試行錯誤しながら生まれた私のファッション以外の世界観を楽しんでいただきたいと思っています」

陰影に浮き立つ人物の顔。目を描かれずにたたずむ顔貌の数々は、私たちに何を訴えかけるのか。ぜひ心静かに対峙してみたい。

高橋盾近影。小誌4月号掲載のインタビューにて撮影・掲載したもの。(Photo: Yoshie Tominaga)
高橋盾近影。小誌4月号掲載のインタビューにて撮影・掲載したもの。(Photo: Yoshie Tominaga)

高橋盾「THEY CAN SEE MORE THAN YOU CAN SEE」

「自分の中で大事なプロジェクト」と語る、油絵作品の初個展。集中的に取り組んでは間を空けてを繰り返し、描き続けてきた作品群を公開する。

会期/8月19日(土)〜9月9日(土)
会場/GALLERY TARGET
住所/東京都渋谷区神宮前5-9-25
Tel/03-6427-3038
www.gallery-target.com
※最新情報はサイトを参照のこと。

Edit & Text:Keita Fukasawa

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