塩田千春、地元・大阪で16年ぶりに大規模個展開催中 | Numero TOKYO
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塩田千春、地元・大阪で16年ぶりに大規模個展開催中

国際的に注目を集め続けるアーティスト、塩田千春の個展「塩田千春 つながる私(アイ)」が、大阪・中之島にある大阪中之島美術館にて開催中。大規模なインスタレーション作品を中心に、新作や国内未発表作品を含む絵画やドローイング、立体作品、映像などが公開中だ。

『つながる輪』2024 撮影|木奥惠三
『つながる輪』2024 撮影|木奥惠三

現在ベルリンを拠点に、国際的に活躍する塩田千春。「生と死」という人間の根源的な問題に向き合い、作品を通じて「生きることとは何か」、「存在とは何か」を問い続けるアーティストだ。2019年には森美術館(東京・六本木)にて個展が開催され、大きな話題となった。

(参考)糸を紡ぐアーティスト、塩田千春個展「魂がふるえる」@森美術館

『インターナルライン』2022/2024 撮影|木奥惠三
『インターナルライン』2022/2024 撮影|木奥惠三

代表的な、無数の糸を張り巡らせたインスタレーションは、場所や物に刻まれた人々の痕跡を「記憶」としてとらえ、それらを糸で編みこむことで「不在の中の存在」というテーマに向き合ったものである。かたちのない、現実に不在である「記憶」を確かに存在するものとして可視化し、真実に触れようと試みている。

『巡る記憶』2022/2024 撮影|木奥惠三
『巡る記憶』2022/2024 撮影|木奥惠三

『多様な現実』2022/2024 撮影|木奥惠三
『多様な現実』2022/2024 撮影|木奥惠三

本展では、新作や国内未発表作品を含む大規模なインスタレーション作品を公開。美術館ならではの高い天井や広い空間を使い、6点のインスタレーション作品を発表する。また、塩田が挿絵を担当する多和田葉子の小説『研修生(プラクティカンティン)』の挿絵原画も公開。会期中少しずつ展示作品が増えていき、最終的に361枚の原画が展示される予定だという。

多和田葉子『研修生(プラクティカンティン)』のための挿絵 2023–2024 撮影|木奥惠三
多和田葉子『研修生(プラクティカンティン)』のための挿絵 2023–2024 撮影|木奥惠三

また本展は、大阪出身の塩田にとって2008年以来、16年ぶりとなる地元での大規模個展となった。展覧会オリジナルのグッズなども合わせてチェックしたい。会期は12月1日(日)まで。

※掲載情報は10月5日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

「塩田千春 つながる私(アイ)」
会期/2024年9月14日(土)〜12月1日(日)
会場/大阪中之島美術館 5階展示室
住所/大阪市北区中之島4丁目3-1
時間/10:00〜17:00(入場は16:30まで)
入場料/一般2,000円(平日1,800円)、高校・大学生1,500円、中学生以下無料
休館/月曜、10月15日(火)、11月5日(火)※10月14日(月・祝)、11月4日(月・休)は開館
URL/nakka-art.jp/exhibition-post/chiharu-shiota-2024/

Text:Akane Naniwa

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