韓国随一のデザイン会社が手掛ける、映画『ソウルメイト』ASMRポスターに注目!
映画『The Witch/魔女』で国内外の新人賞を総なめし、Netflixシリーズ「梨泰院クラス」や「その年、私たちは」でもそのカリスマ的な魅力で若手実力派俳優としての存在感を見せつけたキム・ダミ。その最新主演作『ソウルメイト』が2024年2月23日(金・祝)より公開となる。
第93回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた『少年の君』のデレク・ツァンによる単独監督デビュー作『ソウルメイト/七月と安生』をミン・ヨングン監督が韓国・済州島を舞台にリメイクした本作は、性格も価値観もまるで違う幼馴染二人の深い友情の物語。ミソ(キム・ダミ)とハウン(チョン・ソニ)、二人の半生を描いた感涙の物語に早くも期待の声が高まると同時に、一部ファンから注目を集めているのが作品の世界観が凝縮されたビジュアルの数々。
中でも特筆すべきは“ASMRポスター”。視覚や聴覚への刺激を通じて感じる心地よさや、脳をゾワゾワさせるような感覚を指す「ASMR」。食事する姿を配信する動画はよく見られるが、本作ではミソとハウン、そして二人の運命を大きく変えるジヌとの三人の関係性やかけがえのない思い出を表すシーンを映し出した3種類のポスターがASMR動画ポスターとして制作された。
鳥がさえずり足音が鳴る森の中で三人の頭上に美しい光が降り注ぐポスターと、済州島の海に浮かぶ三人の姿に合わせ波音が心地よく響き渡るポスター。さらには、ページをめくり画用紙に鉛筆を擦るような音が流れる中、まっさらな画用紙に幼い頃のミソとハウンの似顔絵が浮かび上がってくるものも、音や動きを取り入れたASMRならではの手法を活かして作られている。
これらの制作を手掛けたのは、韓国随一のデザイン会社「propaganda(プロパガンダ)」。韓国の映画作品では『新感染ファイナル・エクスプレス』や『The Witch/魔女 ―増殖―』、『犯罪都市 NO WAY OUT』、さらに日本映画では『ケイコ、目を澄ませて』、『戦場のメリークリスマス』などの韓国版のポスターも手掛けており、唯一無二の高いデザインセンスで韓国はもちろん日本の映画ファンからも注目を集めている。
そんな気鋭デザイナー陣が所属するpropagandaは、それぞれのポスターのこだわりや制作秘話についてこう述べている。
「映画のコンセプトを一枚の写真で表現するなら、この写真だと思いました。ミソとハウンが仲良く並んで歩き、その横で一定の距離を保ちながら歩くジヌの姿が3人の関係をよく表しています。その3人の頭上に燦々と降り注ぐ太陽の光で、すべてを共に過ごした彼らの最も輝かしい時間を表現しました」
「年を取ったミソとハウン、ジヌが輝かしかった青春の1ページを思い浮かべるなら、このシーンではないかと考えました。俳優の顔が大きく写し出された(クローズアップされた)ポスターよりも、余白が醸し出す感情がこの映画とよく合うと思い、人物を出来るだけ小さく、海を広く見せるようにしました。英語の字体も、青い海と対比させるために淡いピンク色を使用しました」
「すべてが輝いていて、美しかったあの頃。2人がともに共有した思い出の欠片や小道具を並べて、ポスターを見る人にミソとハウンの思い出を見せたかったです」
ミソ役を演じたキム・ダミが「時間が経ってから見ると、別の感情を抱くことができる日記のような作品」と語るように、観るたびに新たな感情を発見することができる本作。
作品の世界の中に入り込む感覚を味わうことができる今回のポスターは、鑑賞後なら再び三人に再会できた感覚をもたらし、鑑賞前なら物語の入り口へ誘ってくれる。予告編とはまた異なる期待感を味わえるはずだ。日本での劇場公開に備えて、一足早く本作の世界観に浸ってみてほしい。
『ソウルメイト』
ミソとハウンは小学生からの大親友。絵を描くのが好きな2人は、性格も価値観も育ってきた環境も違うが、大切な存在だった。しかし、ジヌとの出会いが2人の運命を大きく変えていく。想い合いながらもすれ違い、疎遠になっていた16年目のある日、ハウンはミソに“ある秘密”を残して忽然と姿を消してしまう…。
監督/ミン・ヨングン
出演/キム・ダミ、チョン・ソニ、ピョン・ウソク
© 2023 CLIMAX STUDIO, INC & STUDIO&NEW. ALL RIGHTS RESERVED.
2024年2月23日(金・祝)より全国公開
https://klockworx-asia.com/soulmatejp/
Text:Chiho Inoue