資生堂のアートプログラム 入選者3名が、個展で競演 @資生堂ギャラリー(銀座) | Numero TOKYO
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資生堂のアートプログラム 入選者3名が、個展で競演 @資生堂ギャラリー(銀座)

野村在「Soul Reclaim Device」(“A portrait of my departed sister”)(2018年) ギャラリーαM
野村在「Soul Reclaim Device」(“A portrait of my departed sister”)(2018年) ギャラリーαM

東京・銀座の資生堂ギャラリーにて、同社主催のアート公募プログラム、第17回 「shiseido art egg(シセイドウアートエッグ)」の入選者3名による展覧会が開催中。2024年1月30日(火)~5月26(日)の会期中、各入選者の個展が3期に分けて実施される。


あの資生堂が2006年からスタートした、アートの公募プログラム「shiseido art egg」。“新たな美の可能性を押し広げる”アーティストを応援する目的で実施され、入賞者3名には、歴史ある資生堂ギャラリーにて個展を開催する機会が与えられてきた。

第17回目を迎えた今年度は、「時代が抱える不安や困難に真摯に向き合い、そこから新しい価値観や美意識を表現しているか」が審査のポイントになったという。

そんな入賞者展は、林田真季(はやしだ・まき)からスタート。人間による利己的な行動が予期せぬ結果をもたらす現象に着目する林田は、イギリス沿岸部における過去のごみ埋立地の姿と、日本各地の大規模不法投棄事案に目を向け、本展では写真によるインスタレーションを展開する。

林田真季 「Water Wonderland, from the series Water Wonderland」  (2022〜23年)
林田真季 「Water Wonderland, from the series Water Wonderland」 (2022〜23年)

第2期を務めるのは、生と死やその間に横たわるものを表現しようと試みている野村在(のむら・ざい)。本展では、故人の写真を水に印刷する写真装置や、今後数十年にわたって稼働し続ける作品などによって、人間の本質や存在のあり方を観る者に問いかける。

会期最後の岩崎宏俊(いわさき・ひろとし)は、アニメーション手法の一つである「ロトスコープ」に着目。本展では、パンデミックの影響で直接会うことが叶わなかった人や残された風景をトレースした作品を手がけ、そこに、古代ローマに記された神話を重ね合わせようと試みる。

なお、3名の個展終了後、新しい価値の創造を最も感じさせたアーティストには「shiseido art egg賞」が授与される。

新進アーティストの未来の可能性が花開くその瞬間を、ぜひその目で見届けて。

岩崎宏俊『DARK MIXER』(2014〜19年)
岩崎宏俊『DARK MIXER』(2014〜19年)

 

※掲載情報は2月11日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

「第17回 shiseido art egg」展
会期/
第1期 林田真季 展:2024年1月30日(火)~3月3日(日)
第2期 野村在 展 :2024年3月12日(火)~4月14日(日)
第3期 岩崎宏俊 展 :2024年4月23日(火)~5月26日(日)
会場/資生堂ギャラリー
住所/東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビルB1
料金/無料

時間/11:00〜19:00(火〜土)、11:00~18:00(日、祝)

休館/月曜日(祝祭日にあたる場合も休館)
TEL/03-3572-3901

URL/gallery.shiseido.com/

Text : Manami Abe

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