「オタール・イオセリアーニ映画祭」開催! 全監督作 21 本 一挙公開 | Numero TOKYO
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「オタール・イオセリアーニ映画祭」開催! 全監督作 21 本 一挙公開

『素敵な歌と舟はゆく』(1999年)
『素敵な歌と舟はゆく』(1999年)

カンヌ、ヴェネチア、ベルリンなど世界の映画祭で数々の賞を受賞した人生の達人、オタール・イオセリアーニ監督(1934年生まれ)の作品をたどる「オタール・イオセリアーニ映画祭 〜ジョージア、そしてパリ〜」が開催される。ジョージア(旧ソビエト連邦グルジア共和国)に生まれ、映画制作を行うも上映禁止など制限を受け、故郷を離れてパリへと移り住んだ経歴を持つイオセリアーニ監督。それでも映画制作をあきらめることなく、『素敵な歌と舟はゆく』(1999年)、『月曜日に乾杯!』(2002年)をはじめ、世界各国でゆるぎない評価を得る。

時代や場所が違えど、変わることなく繰り返される日々の営み、争いや略奪、犯罪は決してなくならないが、あふれるほどの愛や友情、希望は必ずあるー。 観る者に、そんな人生の豊かさを気づかせてくれる人生の達人、オタール・イオセリアーニの監督作品をたどることができる貴重な映画祭だ。

『月曜日に乾杯!』(2002年)
『月曜日に乾杯!』(2002年)

全監督作21本が一挙公開されるなかで、特に注目したい作品は日本で劇場初公開作品となり、どちらもヴェネツィア国際映画祭にて審査員特別大賞を受賞した作品。俳優で映画監督のマチュー・アマルリックの役者デビュー作となった『月の寵児たち』(1984年)と、全編アフリカ・セネガルで撮影が行われた『そして光ありき』(1989年)だ。

『月の寵児たち』(1984年)
『月の寵児たち』(1984年)

『そして光ありき』(1989年)
『そして光ありき』(1989年)

さらに、代表作である『素敵な歌と舟はゆく』や『月曜日に乾杯!』のほか、再評価が高まっているピエール・エテックスや『アメリ』の父親役で知られるリュファスが出演していることも話題となった集大成的傑作『皆さま、ごきげんよう』(2015年)、本国ジョージアにて上映禁止を受けたものの、2000年にはカンヌ国際映画祭で復元版による 特別上映が行われた中編『四月』(1962年)、ジョージアの映像資料を用いて歴史・文化を紹介した三部構成となる日本初公開のドキュメンタリー三部作『唯一、ゲオルギア』(1994年)なども上映。

『皆さま、ごきげんよう』(2015年)
『皆さま、ごきげんよう』(2015年)

『四月』(1962年)
『四月』(1962年)

『唯一、ゲオルギア』(1994年)
『唯一、ゲオルギア』(1994年)

ノンシャランと笑い飛ばし、自由で独創性あふれる作品づくりで世界中の映画ファンを魅了し続けているオタール・イオセリアーニ監督の全作品に触れられる貴重な映画祭をぜひ堪能して。

「オタール・イオセリアーニ映画祭 〜ジョージア、そしてパリ〜」

2月17日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、シアター・イメージフォーラムにて劇場初公開作品含む全監督作21本一挙公開
https://www.bitters.co.jp/iosseliani2023/
Twitter:@Otar_2023

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