多様なメディアによる表現で国際的に活躍する小谷元彦が新作長編映像作品を発表
メディアを限定しない多彩な表現方法で、国内外で作品を発表する小谷元彦。東京・天王洲のANOMALYにて個展「i n v a s i o n」が1月21日(土)より開催される。
彫刻、写真、ビデオ、インスタレーションなど多岐にわたり、メディアを限定しない多彩な表現方法によって作品を発表してきた、小谷元彦。2003年ヴェネチア・ビエンナーレで日本館代表に選出されるなど国際的な活躍を見せるほか、近年の国内では2022年のReborn-Art Festivalにて6mにも及ぶ巨大作品を発表し、大きな反響を得た。
本展では、3年越しで制作された新作長編映像作品の発表および、2022年に発表された立体と短編映像作品で構成されるという。
本展タイトルでもある新作長編映像《i n v a s i o n》は、かねてより小谷の作品に繰り返し使われる「回転」を表す催眠術に使われる渦巻きをアイコンにしている。古い催眠術の本から採用したという回転の図像は、漫画『デビルマン』に登場する、「催眠」と「覚醒」を意味する「サイコジェニー」を思わせるほか、脊椎動物の内耳にある渦巻管にも見え、動物をモチーフとして多用してきた小谷にとって重要なフォルムと言える。
なおそのほかに、本作にはエジソンやフロイトの肖像画や、パブロフのモニュメント、軍用電話機、無線機などのモチーフが登場する。光を発するガラス球や、遠くの声が耳元で聞こえる受話器や無線機の普及などは、当時魔術的に受け取られたかもしれず、科学はかつて魔術という概念と案外近しいものだったのでは、ということが伺える。
また、本映像作品では「信じる」ことが極めて個人的なこととして提示され、監視カメラで監視された合理的な世界の裏側で起こっている、本人による本人の再魔術化として描かれているという。
制作に3年を費やしたという本作は、11:30より4回上映される(17:50終演)。時間など詳細はANOMALYウェブサイトにて。
※掲載情報は1月19日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。
小谷元彦「i n v a s i o n」
会期/2023年1月21日(土)〜2月18日(土)
会場/ANOMALY
住所/東京都品川区東品川1-33-10 Terrada Art Complex 4F
時間/11:30〜18:00
休廊日/日・月・祝
URL/anomalytokyo.com/exhibition/i-n-v-a-s-i-o-n/
Text:Akane Naniwa