京都にオープン予定の帝国ホテル、内装は新素材研究所の榊田倫之が担当
帝国ホテルが京都にオープンを予定している新ホテル。日本の迎賓館の役割を担い誕生した帝国ホテルが、京都・祇園という日本を象徴する特別な場所で、地域に親しまれた弥栄(やさか)会館を継承しながら新たな価値の創出に挑戦する。内装デザインにあたっては、国内外で活躍するインテリアデザイナーや建築家を候補にコンペティションを実施。この計画の意義を理解し、その独自性を体現できるデザインコンセプト及びデザインの提案が求められた。注目を集めるなか、内装デザインを担うのは新素材研究所の榊田倫之に決定したことが発表された。
帝国ホテルとしては、東京、上高地、大阪に次ぐ4つ目のオープンとなる京都。1913年に建築された国の登録有形文化財で、祇園の芸舞妓が一堂に会し新作の舞を披露する「都をどり」などの会場として長く親しまれてきた祇園甲部歌舞練場の敷地内にある弥栄会館の一部を保存活用した新規ホテルとなる。
内装を手がけることになった新素材研究所は、現代美術作家の杉本博司と建築家の榊田倫之によって、2008年に設立された建築設計事務所。日本古来の自然素材や工法を使用したインテリアデザインの評価が高く、今回、「古いものが、新しい」というコンセプトをもとに、素材自体に存在する時の経過を扱い、新旧の調和を図ることで唯一無二の魅力を生み出すことを提案。帝国ホテルによる計画との親和性が非常に高いと評価され、起用が決定した。
ホテルは2026年春に開業予定。建築家・田根剛が手がける2036年完成予定の「帝国ホテル 東京 新本館」と合わせて完成を楽しみにしたい。
Text:Sayaka Ito