2年ぶりに東京・国立新美術館で「DOMANI・明日展」が開催中
新進気鋭の若手中堅アーティストの海外研修を支援し、日本のアートシーンにプレゼンする機会としてひらかれてきた「DOMANI・明日展」。2年ぶりに東京・六本木にある国立新美術館で開催中だ。
文化庁は、将来の日本の芸術界を支える人材の育成のため、若手芸術家が海外の関係機関等で行う研修を支援する「新進芸術家海外研修制度(在研)」を1967年度より実施。美術分野では、そうした成果発表の機会として1998年から「DOMANI・明日展」を開催してきた。
前回はコロナ禍の影響により東京では開催できなかったが、ネットワークを生かし全国5会場に展開。あわせて第1回から第23回展に関するアーカイブ集『DOMANI・明日 記録集:The Art of Tomorrow 1998-2021』を刊行している。
記念すべき第25回目となる本展は、2年ぶりに国立新美術館を会場に開催となった。これまでに同館での 「DOMANI・明日展」で本格的に取り上げることができていなかったというキャリアの豊かな作家3名(伊藤誠、小金沢健人、丸山直文)、比較的近年に在研を終えた作家6名(大﨑のぶゆき、北川太郎、石塚元太良、池崎拓也、黒田大スケ、谷中佑輔)、さらに本展史上初となる、同館2度目の参加となる近藤聡乃を招いた展示となる。
サブタイトルは「百年まえから 、百年あとへ」。1923年の関東大震災から100年の節目である東京でひらかれる企画として、「ゆれる/ゆらぐ地面、制度、価値観」という視点から、コロナ禍後の次代の人材育成、美術界のあり方をも考えるという。
会期中にはアーティストらによるギャラリートークのほか、近代美術の歴史を「移民=国外退去者たちの歴史である」ととらえ、アーティストの移動が思考や作品におよぼす影響について、あるいは芸術における移民性とは何かについて議論を行うオンラインシンポジウムを開催し、12月以降に配信予定。
そのほかにも、出品作家の黒田大スケをゲストに、美術の鑑賞体験を「触れて」「感じて」共有してみるワークショップ「ふれてあじわう・ふれてかたる」が、12月10日(土)13:00より開催される。詳細はウェブサイトにて確認を。
※掲載情報は11月25日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。
「DOMANI・明日展 2022-23」
会期/2022年11月19日(土)〜2023年1月29日(日)
会場/国立新美術館 企画展示室2E
住所/東京都港区六本木7-22-2
時間/10:00〜18:00 ※毎週金曜は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで
料金/一般 1,000円、大学生 500円、高校生・18歳未満の方無料、障害者手帳をご持参の方(付添の方1名含む)無料
休館/火曜、2022年12月27日(火)~2023年1月11日(水)
URL/domani-ten.com
Text:Akane Naniwa