日本がルーツのアーティストによる二人展「訪問者」 @銀座メゾンエルメス | Numero TOKYO
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日本がルーツのアーティストによる二人展「訪問者」 @銀座メゾンエルメス

(写真左)Christian Hidaka『Tambour Ancien』(2021年) Photo: Hugard & Vanoverschelde、(写真右)Takeshi Murata『Still from Larry Loop #7』(2022年) Collaboration with Christopher Rutledge
(写真左)Christian Hidaka『Tambour Ancien』(2021年) Photo: Hugard & Vanoverschelde、(写真右)Takeshi Murata『Still from Larry Loop #7』(2022年) Collaboration with Christopher Rutledge

現代アーティストのクリスチャン・ヒダカとタケシ・ムラタによる「訪問者」展が開催中。東京・銀座メゾンエルメス フォーラムにて、2023年1月31日(火)まで。


1977年千葉県生まれ、イギリス・ロンドン在住のクリスチャン・ヒダカと、74年アメリカ・シカゴ生まれ、ロサンゼルス在住のタケシ・ムラタ。日本の血を引き、英語・米語圏で育った二人のアーティストによる本展「訪問者」は、コンテンポラリーアートにおける虚構を、二つの物語から浮かび上がらせる試み。

ヒダカの制作する絵画は、劇場とその建築、西洋の絵画史を参照している点に特徴があり、近年はだまし絵のような入れ子構造の中に、古今東西のさまざまな要素が共存する奇妙な宇宙を描き出している。
本展では、パブロ・ピカソの初期作品『アルルカン』、画家フラ・アンジェリコの作品のディテール、建築家カルロ・スカルパの作品を成す一要素「フレーム」などが反復する、ハイブリッドな魅力あふれる作品を展示する。

Christian Hidaka『Siparium』(2020年) Photo: Vincent Everarts
Christian Hidaka『Siparium』(2020年) Photo: Vincent Everarts

一方ムラタは、主にデジタルメディアを用いた映像作品や立体作品などで独自のリアリズムを追求している。Web3.0やNFTによるメタ世界への興味から、バスケットボールをする犬「ラリー」の映像作品などを制作。液体シミュレーターでレンダリングされたラリーは、メタ世界にしか存在しないムラタの自画像でもあるのだという。

Takeshi Murata『Larry Cove』(2021年)
Takeshi Murata『Larry Cove』(2021年)

観る者がアートの中に求めるリアリティや虚構性を巧みに用いて、現実とは異なる次元に誘う二人の表現世界。「訪問者」の正体を、会場で確かめてみてはいかが。

※掲載情報は10月27日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

「訪問者」 クリスチャン・ヒダカ&タケシ・ムラタ展
会期/2022年10月21日(金)〜2023年1月31日(火)
会場/銀座メゾンエルメス フォーラム
住所/東京都中央区銀座5-4-1 8・9F
入場料/無料
時間/11:00〜19:00 ※事前にウェブサイトで確認すること。
休館/不定休(エルメス銀座店の営業時間に準ずる)
TEL/03-3569-3300
URL/www.hermes.com/jp/ja/story/maison-ginza/forum/221021/

Text : Manami Abe

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