23年春夏「Dior」は“パリの地図”が着想源 女性のパワーを称えるネオバロック | Numero TOKYO
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23年春夏「Dior」は“パリの地図”が着想源 女性のパワーを称えるネオバロック

ディオール(Dior)が、2023 ウィメンズ コレクションを2022年9月27日(火)にパリ・チュイルリー公園内の会場で発表。メゾンのアーカイブから見出したパリ・モンテーニュ通りの周辺図をインスピレーション源に、そこから派生するイメージを効果的に使用した。

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ショー会場には、メゾンのミューズであるナタリー・ポートマンや、グローバル アンバサダーを務めるBLACKPINKのジス、日本からは中村アンやKemio、よしミチ、AMIAYAらの姿も。

インスピレーション源となった「パリの地図」© Sophie Carre
インスピレーション源となった「パリの地図」© Sophie Carre

今シーズン、アーティスティック ディレクター、マリア・グラツィア・キウリの心を掴んだのは、かつてパリ・チュイルリー公園を所有したイタリア人貴族であり、女性と権力の関わりの象徴でもあったカトリーヌ・ド・メディシス。彼女が王室御用達の職人たちへと持ち込んだハイヒールやコルセット、ブラーノレースといった数々のイノベーションにオマージュを捧げた。

コルセットは、上半身を固定する半幾何学的なシェイプでアップデートされ、ラフィアのコートは、「ディオール」のコードでもある花々や鳥のモチーフと現代的なテクニックをミックス。

トレンチコートには、バロック様式のボリューム感が取り入れられ、ドレスやパンツには、冬の庭園を想起させる幻想的なフローラルプリントでポエティックな力強さをプラス。「王室の衣装の再解釈」を通して、女性を外界へと向かわせ、エンパワメントするファッションの力と可能性を表現した。

また、ショーの舞台は、バロック様式の“グロット(洞窟)”をイメージしてアーティストのエヴァ・ジョスパンが手掛けたもの。自然界と想像上の世界を想起させる夢のような風景が、女性が持つ神秘性や内面性を連想させる。

特別な舞台の中心では、ダンサーであり振付師でもある男女のデュオが、美しさと不穏さ、神秘性と技巧のバランスを保つ、魅力的なパフォーマンスを披露。女性たちが持つ力の多面性を象徴するような、魅惑的なエネルギーを放った。

Text:Anri Murakami

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