柿本ケンサクの「時間」をテーマにした新作展@清水寺 | Numero TOKYO
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柿本ケンサクの「時間」をテーマにした新作展@清水寺

言葉や人種、文化などあらゆる垣根を超えた表現を元に、祈りに対する新たな解釈と視点を、1200年の歴史を持つ京都・音羽山清水寺にて発信するプロジェクト「FEEL KIYOMIZUDERA」。映像、写真ジャンルにおいてマルチな才能を見せる柿本ケンサクによる新作展を開催する。

TIME 「Sombrero Galaxy M104」© Kensaku Kakimoto、天体画像提供:国立天文台
TIME 「Sombrero Galaxy M104」© Kensaku Kakimoto、天体画像提供:国立天文台

古来より庶民にひらかれた観音霊場であり、学問の芸術の交流地点である清水寺。1200年の時を経て今もなお存在する普遍的な祈りの場でもある。そんな清水寺を舞台に2012年より行われてきた、言語や人種、文化などあらゆる垣根を超えた表現を祈りの風景と重ね合わせ、未来の仏教寺院のあり方を模索していくプロジェクト「FEEL KIYOMIZUDERA」。アート、写真、舞踏、音楽イベントなどあらゆる表現を通して祈りの場を創出している。

この度、多くの映像作品を生み出すとともに、広告写真、アーティストポートレイトの撮影を始めとする写真家としても活動する柿本ケンサクによる新作展が開催。時間をテーマに「今この一瞬を生きている」という概念を発表する。

本展では大宇宙を数千万年旅した光や時間を一枚のフィルムに閉じ込めた新シリーズ『TIME』や、清水寺のご本尊「十一面千手観音菩薩」をモチーフとする新シリーズ『KAN-NON』を発表。京都屈指の夕陽の名所として名高い重要文化財・西門を舞台に制作した作品だ。さらに、昨年東京・代官山のヒルサイドフォーラムにて初公開し話題を呼んだAI現像シリーズ『Time Tunnel』をさらに発展させた新シリーズ『Sky Tunnel』も発表する。

(参考)柿本ケンサク×AIの新作展 @ヒルサイドフォーラム

本展は、宇宙と膨大な情報がすべて収まっている時間の中で、溢れかえった豊かさを削ぎ落とし、本当に大切なことを抽出する試みでもある。「表面解像度を落とし、心の解像度を高め、答えを導き出すのではなく、選択肢を広げる作品を制作しました」と柿本は語る。「今この一瞬を生きている」という概念への新たな表現をぜひ目撃して。会期は7月10日(日)まで。

KAN-NON 「月の庭 明」© Kensaku Kakimoto
KAN-NON 「月の庭 明」© Kensaku Kakimoto

Sky Tunnel「Sky Tunnel 047」© Kensaku Kakimoto
Sky Tunnel「Sky Tunnel 047」© Kensaku Kakimoto

 ※掲載情報は6月17日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

「柿本ケンサク写真展-TIME-音羽山清水寺
Collaboration with Luke Bubb, Piotr Stopniak」

会期/2022年6月25日(土)〜7月10日(日)
会場/音羽山清水寺 西門、経堂、成就院
住所/京都市東山区清水1-294
開館時間/10:00〜17:30 ※6月30日まで。7月1日以降は18:00まで
料金/無料 ※成就院は特別拝観料が別途必要(大人600円、小・中学生300円)
URL/feel.kiyomizudera.or.jp/

Text:Akane Naniwa

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