越後妻有の「大地の芸術祭」 1年の延期を経て待望の開幕 | Numero TOKYO
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越後妻有の「大地の芸術祭」 1年の延期を経て待望の開幕

クリスチャン・ボルタンスキー『森の精』(2022) ©Agence Eva Albarran, Charlotte Richard, Paris, 2022
クリスチャン・ボルタンスキー『森の精』(2022) ©Agence Eva Albarran, Charlotte Richard, Paris, 2022

新潟県・越後妻有地域で開催される、世界最大級の国際芸術祭「大地の芸術祭」がスタート。春から秋にかけて、2022年11月13日(日)までの長期開催となる。

日本各地で開催される芸術祭の代表格である「大地の芸術祭」が、新型コロナウイルス感染拡大の影響による1年の延期を経て、ついに待望の開催を迎えた。今年も、新潟県の6つのエリア(十日町、川西、津南、中里、松代、松之山)からなる広大な大自然を舞台に、屋内外で作品が展示される。8回目となる今回は、38の国と地域から263組のアーティストが参加し、作品は新作123点と常設210点で構成される。

河口龍夫『農具の時間』(2022) photo Kioku Keizo
河口龍夫『農具の時間』(2022) photo Kioku Keizo

新作の見どころは、越後妻有を代表するイリヤ&エミリア・カバコフのプロジェクトの新作として、2021年12月に竣工した平和を祈るモニュメント『手をたずさえる塔』のほか、21年に逝去したクリスチャン・ボルタンスキーによる、日本人の男女を写した白黒写真を森に配置した作品にも注目が集まる。

また、かつて使われていた農具を、人が実際に使用する高さや角度で展示する河口龍夫の『農具の時間』(2022年)や、黒いシリコンオイルで重力や引力の関係性を表現した名和晃平の『Force』(2021年)も見逃せない。そして、ライゾマティクスから分社化した「パノラマティクス」が、鉄道路線「北越急行ほくほく線」の「美佐島駅」で作品を展開する特別な体験展示作品も必見。

東弘一郎『廻転する不在』(2021) photo Kioku Keizo
東弘一郎『廻転する不在』(2021) photo Kioku Keizo

パノラマティクス/齋藤精一『JIKU #013 HOKUHOKU-LINE』 Photo Nakamura Osamui
パノラマティクス/齋藤精一『JIKU #013 HOKUHOKU-LINE』 Photo Nakamura Osamui

盛りだくさんの新作以外にも、本祭を代表するカバコフ夫妻の『棚田』(2000年)や清津峡渓谷トンネル内の『Tunnel of Light』(2018、2021年)、ジェームズ・タレルの泊まれる作品『光の館』(2000年)などの通年公開作品も。

今年は、大自然のアートを堪能してみてはいかが。

※掲載情報は5月26日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

大地の芸術祭 越後妻有 2022
会期/2022年4月29日(金・祝)〜11月13日(日)
会場/越後妻有エリア
住所/新潟県十日町市、津南町
作品鑑賞パスポート/一般 4500円、高校・専門・大学生 2500円、中学生以下無料
※7月29日(金)までにチケットを購入すると「早期割」が適用され、上記から1000円引
休祭日/火・水曜日
TEL/025-757-2637(大地の芸術祭実行委員会事務局)
URL/www.echigo-tsumari.jp/

※作品によって見学時間や公開期間が異なるため、事前に公式サイトを確認のこと。

Text : Manami Abe

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