ウィーンからきたデザイナー 上野リチの大規模回顧展開催 | Numero TOKYO
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ウィーンからきたデザイナー 上野リチの大規模回顧展開催

上野リチ・リックス『プリント服地「野菜」』(1955年頃)(再製作:1987年) 京都国立近代美術館
上野リチ・リックス『プリント服地「野菜」』(1955年頃)(再製作:1987年) 京都国立近代美術館

19世紀末のオーストリア・ウィーンに生まれ、京都に生きたデザイナー・上野リチの世界初の大回顧展が開催中。東京・丸の内の三菱一号館美術館にて、2022年5月15日(日)まで。

1893年、ウィーン生まれのフェリーツェ・リックス(後の上野リチ・リックス)は、ウィーン工芸学校にて、建築家でデザイナーのヨーゼフ・ホフマンに学ぶ。卒業後は、ホフマンらが設立した「ウィーン工房」のデザイナーとして、テキスタイルデザインなどでその才能を発揮した。京都出身の建築家・上野伊三郎との結婚後は、日本で上野リチと名乗り、ウィーンと京都を往復しながら、デザイナーや教育者として精力的に活動を続けたという。

上野リチ・リックス『イースター用ボンボン容れのデザイン(2)』(1925〜35年頃) 京都国立近代美術館
上野リチ・リックス『イースター用ボンボン容れのデザイン(2)』(1925〜35年頃) 京都国立近代美術館
本展は、リチのデザインをひも解く世界初の回顧展で、ウィーンやニューヨーク、京都から作品が集結。デザインが描かれた平面作品のほか、七宝の小品やマッチ箱カバーなどの立体作品も会場に展示されている。 リチのデザインを特徴づけるのは、自由な線と生命感あふれる色彩、そして草花や動物といった優しく温かなモチーフに加えて、「ファンタジー」もその一要素だ。このファンタジーには「他の影響を受けず、想像力を発揮して独自性を獲得したもの」という、リチ独特の含意があったと考えられている。実際に彼女のデザインは、日本独特のモチーフを描いたりすることはほとんどなかったにも関わらず、日本でも広く受け入れられた。 戦乱の世にあって、前向きで明るいデザインで国を越え、人々を魅了してきた上野リチ。今、この時代にこそ、元気をもらいたいその世界。ぜひご堪能あれ。

写真中央が上野伊三郎、その隣の女性が上野リチ。「伊三郎とリチ、船上にて」(1924年) 京都国立近代美術館
写真中央が上野伊三郎、その隣の女性が上野リチ。「伊三郎とリチ、船上にて」(1924年) 京都国立近代美術館

※掲載情報は3月23日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

上野リチ:ウィーンからきたデザイン・ファンタジー
会期/2022年2月18日(金)〜5月15日(日)※展示替えあり
会場/三菱一号館美術館
住所/東京都千代田区丸の内2-6-2
入場料/一般 1900円、高校・大学生 1000円、小・中学生 無料
時間/10:00〜18:00(⼊館は閉館の30分前まで)
※祝⽇を除く⾦曜日と会期最終週の平⽇、第2⽔曜⽇、4⽉6⽇(水)は〜21:00まで
休館/4月4日(月)、4月11日(月)、4月12日(火)、4月18日(月)
問い合わせ/050-5541-8600(ハローダイヤル)
URL/mimt.jp/lizzi/

Text : Manami Abe

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