アートによる新しい「祭」が大分県別府市に! 今年の『in BEPPU』は廣川玉枝を招聘 | Numero TOKYO
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アートによる新しい「祭」が大分県別府市に! 今年の『in BEPPU』は廣川玉枝を招聘

国内有数の温泉地、大分県別府市。毎年1組のアーティストを招聘し、地域性を活かしたアートプロジェクトを展開する個展形式の芸術祭「in BEPPU」が別府市内各所およびオンラインにて開催。今年は、ファッションやグラフィックなど多岐にわたって活動する服飾デザイナー、廣川玉枝が参加する。

ファッション、グラフィック、サウンド、ビジュアルデザインを手掛ける「SOMA DESIGN」の設立者であり、服飾デザイナーの廣川玉枝。同時に立ち上げたブランド「SOMARTA」は、東京コレクションにも参加したほか、さまざまなアワードも受賞している。2017年には、SOMARTAのシグネチャーアイテム“Skin Series”がニューヨークのMoMAに収蔵されたことも話題を呼んだ。 大分県別府市に毎年1組のアーティストを招聘し、地域に展開される個展形式のアートプロジェクト「in BEPPU」。廣川が参加する2021年度は、「祭」をテーマに別府市内各所やオンラインにて開催だ。 本展は、廣川が創作した祭=神事と、鉄輪エリアでの屋内外のインスタレーションや祭で使用する衣裳展示などの常設展示から構成される。祭では、山から町、町から海へと温泉の水脈を辿るように、別府ならではの新たな3つの神事を奉納。そのうちの一つ「地嶽祭神事奉納」では、火男火賣神社から鉄輪むし湯までの道のりを、廣川のデザインした地嶽の神々の衣裳を纏い、神の依り代となった市民が練り歩く。

常設展示は、廣川の代表作「Skin Series」でできた魔除け提灯や、暖簾で大胆に彩った禊祓のインスタレーションを鉄輪むし湯にて展開するほか、由緒ある火男火賣神社と噴気たなびく大谷公園の2会場で、祭で使用する神々の衣裳を展示する。

古くから疫病や自然災害といった苦しい状況にある時こそ求められ、催されてきた「祭」。世界中に続くパンデミックなど困難に見舞われている今だからこそ、廣川による祭が多くの人に希望と活力をもたらすものとなるだろう。

 ※掲載情報は12月17日時点のものです。
 開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

「廣川玉枝 in BEPPU」
会期/2021年12月18日(土)~2022年2月13日(日)
会場/鉄輪むし湯、火男火賣神社、大谷公園、地獄蒸し工房 鉄輪、洗濯場跡およびオンライン
休日/火曜および年末年始 ※衣裳展示のみ12月18日(土)も休み
URL/inbeppu.com

Text:AKane Naniwa

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