藤井保×瀧本幹也 師弟を超えた写真の対話
藤井保と瀧本幹也、二人の写真家による写真展「藤井保 瀧本幹也 往復書簡 その先へ」が、東京・渋谷のMA2 Galleryにて開催中。会期は、2021年10月30日(土)〜11月28日(日)まで。
一枚の写真で人生が変わることがある。藤井が東北の原風景を捉えた作品、JR東日本「その先の日本へ。」(1992年)は、まさに藤井と瀧本の出会いの写真だった。当時18歳の瀧本は、その写真に心を動かされ藤井を師と選び、 また藤井は瀧本を弟子と選んだ。
日本を代表する写真家のひとり、藤井保は、独特の空気感を纏う作風で、広告写真、デザイン、映画など幅広い領域で活躍。国内外での展覧会も多数開催している。
一方の瀧本幹也は、94年より藤井に師事し、06年から銀塩写真の表現をつなげる活動「GELATIN SILVER SESSION」を共に行う。また、映画撮影も手がけ、『そして父になる』(2013年)でカンヌ国際映画祭コンペ部門審査員賞、『海街diary』(2015年)で日本アカデミー最優秀撮影賞、『三度目の殺人』(2017年)ではヴェネツィア国際映画祭コンペ部門などを受賞。
本展では、二人が出会った作品「その先の日本へ。」をはじめ、人間がどう進歩しようともあらがえない大自然をテーマにした作品を1Fで展示。2Fでは、今だから伝えたいメッセージ写真を展開する。そして3〜4Fは、本展のために二人が選んだポラロイドを一つのフレームの中に組み合せた作品と、コロナ禍の2年半に交わされた写真による往復書簡から生まれた作品で構成されている。
島根県に移住した藤井は、本展のために40年以上にわたる自身の作品を一つひとつ見つめ直しながら展示作品を選び、瀧本はそれに呼応するように新作を含む作品を公開。2年半にわたり続けられた対話の記録は、書籍『藤井保 瀧本幹也 往復書簡 その先へ』として、ギャラリーで先行販売される。
二人の出会いから29年。師弟を超えた関係にフォーカスし、写真で対話する展覧会に、どうぞご注目を!
※掲載情報は10月29日時点のものです。
開館日時など最新情報は公式サイトをご確認ください。
「藤井保 瀧本幹也 往復書簡 その先へ」
会期/2021年10月30日(土)〜11月28日(日)
会場/MA2 Gallery
住所/東京都渋谷区恵比寿 3-3-8
開館時間/水〜日 13:00〜19:00
※火曜はアポイント制
URL/www.ma2gallery.com
書籍『藤井保 瀧本幹也 往復書簡 その先へ』(グラフィック社刊)
発売/11月8日予定
価格/¥2,530 (税込)
Text : Akiko Kinoshita