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心を解き放つ映像やインスタレーション。ピピロッティ個展が関東に巡回

『(免罪)ピピロッティの過ち』1988年、シングルチャンネル・ヴィデオ、サウンド(11分18秒)
『(免罪)ピピロッティの過ち』1988年、シングルチャンネル・ヴィデオ、サウンド(11分18秒)

京都国立近代美術館で好評を博した、ピピロッティ・リスト「Your Eye Is My Island-あなたの眼はわたしの島-」が、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための会期変更を経て、9月20日(月・祝)より水戸芸術館現代美術ギャラリーに巡回。さまざまな演出による鑑賞体験とともに、アーティストの歩みを見る大規模個展だ。

ピピロッティ・リストは1962年生まれ、スイス・チューリッヒを拠点に活動するアーティスト。ヴィデオ作品をきっかけにアーティスト活動スタートさせ、30年以上にわたり創作を続けている。その活動は世界から注目を集めており、フランスのポンピドゥセンターでの屋外大型インスタレーションの展示や、ニューヨーク近代美術館での個展など、さまざまな会場で作品を発表してきた。
日本国内では2000年に初めて個展が開催されて以来、幾度か作品紹介されており、2021年4〜6月に開催された京都国立近代美術館での同名個展も好評を博したばかりだ。

『わたしの海をすすって』1996年、2チャンネル・ヴィデオ・インスタレーション、サウンド/コーナープロジェクション(10分22秒)
『わたしの海をすすって』1996年、2チャンネル・ヴィデオ・インスタレーション、サウンド/コーナープロジェクション(10分22秒)

(参考記事)感覚を刺激する映像世界に迷い込む。ピピロッティ・リスト展 @京都国立近代美術館

本展では、そんなピピロッティの30年以上にわたる活動を紹介。初期のヴィデオ作品から、最新の大型インスタレーションまで、主要作品およそ40点を公開する。彼女の作品はいずれも、既存のジェンダー規範やセクシュアリティに対する既成概念を転換するユーモア、人間と人間ならざるものの間で交わされる視点の移動、そして視覚だけでなく全身を弛緩させて作品に没入することを促す演出など、映像に触れる私たちの心を解き放つことへと向けられている。

『イノセント・コレクション』1985‒2032年頃、インスタレーション/白い紙、厚紙、プラスチック、発泡スチロール、ほか(ワーク・イン・プログレス)、サイズ可変
『イノセント・コレクション』1985‒2032年頃、インスタレーション/白い紙、厚紙、プラスチック、発泡スチロール、ほか(ワーク・イン・プログレス)、サイズ可変

また、寝転ぶ、見上げる、覗き込む、映像を浴びるなど、従来の映像展示とは異なる体験へと鑑賞者を誘う展示構成も彼女ならではだ。映画館の巨大スクリーンや、モバイル端末での観賞では得られない観賞体験であるに間違いない。

『マーシー・ガーデン・ルトゥー・ルトゥー/慈しみの庭へ帰る』2014年、マルチチャンネル・ヴィデオ・インスタレーション(15分14秒)、クンストハレ・クレムスでの展示風景、2015年、Photo: Lisa Rastl
『マーシー・ガーデン・ルトゥー・ルトゥー/慈しみの庭へ帰る』2014年、マルチチャンネル・ヴィデオ・インスタレーション(15分14秒)、クンストハレ・クレムスでの展示風景、2015年、Photo: Lisa Rastl

※掲載情報は9月22日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

ピピロッティ・リスト:Your Eye Is My Island
-あなたの眼はわたしの島-

会期/2021年9月20日(月・祝)~10月17日(日)
※優先入場予約日:10月9日(土)、10日(日)、16日(土)、17日(日)
会場/水戸芸術館現代美術ギャラリー
住所/茨城県水戸市五軒町 1-6-8
料金/一般900円、団体(20名以上)700 円、高校生以下/70 歳以上、障害者手帳などをお持ちの方と付き添いの方1名は無料
時間/10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館/月曜日 ※祝日の場合は翌火曜日
TEL/029-227-8111
URL/www.arttowermito.or.jp/gallery/lineup/article_5142.html

Text:Akane Naniwa

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