Art / Post
2009年から制作を続けてきた、草間彌生の代表作の一つ『わが永遠の魂』シリーズ。制作開始から12年の時を経て、その作品数は800点を超える。パンデミックとなった昨今も、草間は色彩の世界に再び戻り、キャンバスのサイズに130 x 130 cmを加え、日々制作を続けているという。
本展では、そんな膨大なアートワークの中でも、直近の3年から選りすぐられた最新作を含む33点を公開。さらに、インスタレーション作品の『雲』も必見だ。ギャラリーの床は、多数の雲をかたどったステンレスの鏡面体に埋めつくされ、壁面に展示された絵画の描線が乱反射する。『わが永遠の魂』が画廊全体を満たすような効果を生み出しているのだ。
そんな展示のようすは、筧菜奈子のテキストとともに、ギャラリーのオンライン・ビューイング・ルームでも見ることができる。
草間彌生の最新作などを公開@オオタファインアーツ東京
東京・六本木のオオタファインアーツ東京にて、草間彌生の個展が開催中だ。オンライン・ビューイング・ルームとリアルな空間の両方で、『わが永遠の魂』シリーズの最新作などを紹介する。
草間彌生 『花の煩悶(もだえ)のなかいまは果てなく 天国への階段 優雅(やさし)さに胸果ててしまう 呼んでいるきっと弧空(そら)の碧さ透けて 幻覚(まぼろし)の影 抱擁(いだ)きわきあがる雲の色 芙蓉いろ食べてみて散るなみだの音』 2021年 キャンバスにアクリル 130.3 x 130.3 cm © YAYOI KUSAMA Courtesy Ota Fine Arts
展示風景: 草間彌生「私のかいたことばに あなたのナミダをながしてほしい」オオタファインアーツ(東京)、2021年 © YAYOI KUSAMA Courtesy Ota Fine Arts
草間彌生 『雲』 2019年 ステンレス サイズ可変 © YAYOI KUSAMA Courtesy Ota Fine Arts
「我々の念願の彼方に輝く絶大なる希望を、いつも願ってやまない」と、コロナ禍の世界に向けてメッセージを発信した草間彌生。世界を救おうという作家の強い意志が、制作へと導いているようだ。弛まなく続く草間の魂にぜひ触れてみて。
草間彌生 『我が憧れの天国への道へたどり着いたよろこび』 2021年 キャンバスにアクリル 130.3 x 130.3 cm © YAYOI KUSAMA Courtesy Ota Fine Arts
※掲載情報は7月1日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。
草間彌生:私のかいたことばに あなたのナミダをながしてほしい
会期/2021年6月22(火)〜7月31日(土)
会場/オオタファインアーツ東京
住所/06-0032 東京都港区六本木6丁目6−9 ピラミデビル
時間/12:00〜18:00 ※完全予約制
(URL/airrsv.net/OtaFineArts-Tokyo/calendar)
休廊/日・月、祝日
URL/www.otafinearts.com
Text:Akane Naniwa