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デザイナー本人がついに沈黙を破る。映画『マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”』

映画『マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”』(原題:『Martin Margiela: In His Own Words』)が、9月17日(金)より渋谷ホワイトシネクイントほか全国順次公開となる。

つねに時代の美的価値に挑戦し、服の概念を解体し続けたマルタン・マルジェラ。キャリアを通して一切公の場に姿を現さず、あらゆる取材や撮影を断り続け、「実在の人物ではない」などという都市伝説も生まれてしまうほど、そのすべてが謎に包まれ、神格化されたデザイナーである。日本では2019年に公開されたドキュメンタリー映画『We Margiela マルジェラと私たち』でも、本人が登場することはなかった。

しかし今回は、初めてデザイナー、マルタン・マルジェラ本人が制作に協力。これまで一切語ることのなかったキャリアやクリエイティビティについて、そして自身に影響を与えた祖母や子ども時代について、本人の言葉でつづられるというのだから驚きだ。

本作を手がけたのは、ドキュメンタリーの名手、ライナー・ホルツェマー。マルジェラ同様、アントワープ王立芸術学院出身のファッションデザイナー、ドリス・ヴァン・ノッテンに密着した映画『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』も記憶に新しい。ショーの舞台裏やアトリエでの制作風景、邸宅での暮らしが丁寧に美しく切り取られていた。そのライナー・ホルツェマーが、難攻不落と思われたマルジェラ本人の信頼を勝ち取り、「このドキュメンタリーのためだけ」「顔は写さない」という条件のもと、素顔を少しずつ明らかにしていく。

初公表となるドローイングや膨大なメモ、7歳で作ったというバービー人形の服などプライベートな記録を見せ、ドレスメーカーだった祖母からの影響、ジャン=ポール・ゴルチエのアシスタント時代、いまや誰もが知る名品となった足袋ブーツの誕生、エルメスのデザイナーへの抜擢就任、そして51歳にして突然の引退──そのすべてをカメラの前でマルジェラ自身が語り出す。

場面写真とあわせて解禁となったティザービジュアルは、マルジェラのキーカラーである“白”を主役とした大胆なデザインだ。世界中のモード好きに多大な影響力を持つ、謎の天才デザイナーマルタン・マルジェラは、なぜ評価され続けるのか? 型破りでエレガント、革新的で繊細で、大胆不敵。そして、決して妥協しない。マルジェラのクリエイティビティと仕事術が、自らの言葉で明かされる本作の公開が待ち遠しい。

『マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”』

監督・脚本・撮影/ライナー・ホルツェマー(『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』)
出演/マルタン・マルジェラ(声のみ)、ジャン=ポール・ゴルチエ、カリーヌ・ロワトフェルド、リドヴィッジ・エデルコート、キャシー・ホリン、オリヴィエ・サイヤールほか
配給・宣伝/アップリンク
© 2019 Reiner Holzemer Film ‒ RTBF ‒ Aminata Productions
https://www.uplink.co.jp/margiela
9月17日(金)より渋谷ホワイトシネクイント、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか 全国順次公開

Text:Chiho Inoue

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