ライアン・ガンダーが選んだ 異色の作品展@オペラシティ | Numero TOKYO
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ライアン・ガンダーが選んだ 異色の作品展@オペラシティ

イギリスを代表するアーティスト、ライアン・ガンダーがキュレーションする、ユニークな展覧会が開催中。東京・初台の東京オペラシティアートギャラリーにて、2021年6月20日(日)まで。

 

コンセプチュアル・アートのけん引役として国際的にその名が知られる、アーティストのライアン・ガンダー。日々のあれこれや社会の仕組みなど、日常生活で見過ごしがちな物事を、新たな視点で観察したり解釈することによって、さまざまな表現を試みてきた。そんなガンダーが、東京オペラシティアートギャラリーの収蔵品をキュレーションする、異色の企画が開催されている。

4階「色を想像する」展示風景写真 撮影:中川周
4階「色を想像する」展示風景写真 撮影:中川周

企画の発端は、コロナ禍の世界的な影響を受けて、当初予定していたガンダーによる個展が延期になった際、「この状況で僕にできることはないだろうか」という申し出があったこと。「収蔵品展のキュレーションはイギリスからできるのでは」というアイデアを受けて、二つの企画からなる展覧会が実現した。

4階で開催されている「色を想像する」では、同館の収蔵品が、東京オペラシティビル共同事業者の一人である寺田小太郎のプライベートアイコレクションであるという成り立ちを踏まえ、寺田の収集テーマの一つ「ブラック&ホワイト」にちなんだ黒と白の作品群で会場を構成。その展示方法は、欧米の個人邸宅における美術品の伝統的な展示方法にならって、壁一面にびっしりと作品を並べる「サロンスタイル」を採用している。

3階「ストーリーはいつも不完全......」展示風景写真 撮影:中川周
3階「ストーリーはいつも不完全......」展示風景写真 撮影:中川周

また、3階の「ストーリーはいつも不完全……」では、来場者が懐中電灯を持ち、うす明かりの会場で作品を照らしながら鑑賞する。来場者の「見たい」という気持ちを再確認させるこの仕掛けは、鑑賞者それぞれが作品と一対一の親密な関係を作る機会を生み出している。

見ることや想像することを意識させ、作品鑑賞だけでなく日常生活に新しい視点をもたらすライアン・ガンダーならではの展覧会。お見逃しなく。
 
 
※掲載情報は4月23日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展
「ストーリーはいつも不完全……」「色を想像する」

会期/2021年4月17日(土)〜6月20日(日)
会場/東京オペラシティ アートギャラリー
住所/東京都新宿区西新宿3-20-2
料金/一般 1000円、大学・高校生 600円、中学生以下 無料
時間/11:00〜19:00
休館/月曜日(5月3日(月)は開館)
TEL/050-5541-8600(ハローダイヤル)
URL/www.operacity.jp/ag/exh239/

Text : Manami Abe

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