注目!マーク・マンダース展が東京都現代美術館で開催
国内美術館では初となる、アーティストのマーク・マンダースの個展「マーク・マンダース ―マーク・マンダースの不在」が、東京・清澄白河の東京都現代美術館にて開催中。会期は、2021年3月20日(土)〜6月20日(日)まで。
オランダで生まれ、現在はベルギーを拠点に活動するマーク・マンダース。18歳の時、自伝的な小説執筆の試みをきっかけに「建物としての自画像」という独自のコンセプトを展開。以降、30年以上にわたり一貫して、想像の部屋に置かれる彫刻やオブジェを制作し、一連のインスタレーションとして発表し続けている。
1998年、出版社の設立に関わり、自身のアーティストブックや、代表作の一つである架空の新聞を制作。数々のアーティスト・ブックも手がける。同年のサンパウロ・ビエンナーレ(ブラジル)、ドクメンタ 11(2002年・ドイツ)、ヴェネツィア・ビエンナーレ(2013年・イタリア)など、多くの国際展にも参加。08〜09年のヨーロッパ巡回展、11年にアメリカ巡回展をはじめ、個展も多数開催。昨年は、オランダのボンネファンテン美術館で大規模個展を行い、世界的に高い評価を受けてきた。
近年は、アメリカやオランダで大規模な屋外彫刻を手がけ、オペラシティ・アートギャラリー(2000年・東京)でのグループ展、金沢21世紀美術館(2020年・石川)の2人展など、日本でも展示を行っている。
本展では、1000平方メートルに及ぶ美術館の1フロア全体を一つの作品=想像の建物のインスタレ―ションとして構成。個々の作品は、過去の美術史や私的な記憶に基づくイメージ、彫像や言葉、家具などのさまざまなオブジェの組み合わせからなり、それらはすべて想像の建物の一部をなすものとして現れる。マンダース本人と“架空の芸術家マンダース”の自画像とが混交しながら、謎めいたインスタレーションを展開していく。
タイトルにある「不在」は、作品全体のキーワードであるとともに、この架空の建物が作家の不在においても作品として存在し続けることを表しているという。
ヴェネチア・ビエンナーレでも展示された代表作『マインド・スタディ』が初公開され、インスタレーションビューや、作家によるテキストを含む国内初のモノグラフも5月中旬に刊行予定など、注目の集まる展覧会。
「凍結した瞬間」と作家が呼ぶ作品群、触れると崩れそうな彫像、人の立ち去った気配が残るスタジオーー。独創的な構造を持つマーク・マンダースの作品世界を、じっくりと体感してみよう!
※掲載情報は3月29日時点のものです。
開館日時など最新情報は公式サイトをご確認ください。
「マーク・マンダース ―マーク・マンダースの不在」
会期/2021年3月20日(土)〜6月22日(火) ※会期延長
会場/東京都現代美術館 企画展示室 3F
住所/東京都江東区三好4-1-1 (木場公園内)
開館時間/10:00〜18:00
※展示室入場は閉館の30分前まで
休館日/月曜、5月6日
※5月3日は開館
料金/一般 ¥1,500、大学生・専門学校生・65歳以上 ¥1,000、中高生 ¥600
※小学生以下無料
※予約優先チケットもあり
URL/https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/mark-manders/
同時開催 「ライゾマティクス_マルティプレックス」 (企画展)
(参考記事)Numero.jp/ライゾマティクスの個展が東京都現代美術館で開催
Text : Akiko Kinoshita