リアルな空間で開催「DOMANI・明日展2021」 | Numero TOKYO
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リアルな空間で開催「DOMANI・明日展2021」

撮影:大塚敬太+稲口俊太
撮影:大塚敬太+稲口俊太

新進気鋭の若手中堅作家を紹介する「DOMANI・明日展2021」(国立新美術館@東京・六本木)も、今年度で23回目。昨夏、オンライン上で開催された「DOMANI・明日展plus online 2020」に続き、コロナ禍を経て、再びリアルな空間での展示を開催。

文化庁が実施する、各芸術分野における若手中堅芸術家への支援制度「新進芸術家海外研修制度」。参加者の中からアーティストを選出し、紹介する「DOMANI・明日展」が例年開催されてきた。昨夏は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、開催が一時あやぶまれた中、オンライン上では初となる試み「DOMANI・明日展 plus online 2020」が開催されたことも記憶に新しい。 (参考記事)Numero.jp 「DOMANI・明日展」から オンライン展が緊急開催 23回目となる2021は、過去10年間に各国で研修経験を持った7人の新進作家が出展する。 従来の絵画材料とは異なる素材を使い、作品をつくる大田黒衣美は、ベルリン滞在後に獲得した新たな手法で作品を展開。本展が日本初の公開となる。 現在もフランスを拠点とし、写真を主な制作物とする春木麻衣子は、本展ではじめて音によるインスタレーションを合わせた構成に挑む。 昨夏のオンライン展にも出展した山本篤は、現代社会が抱える問題を切り口にしたフィクションや、私的なドキュメンタリー、コント的な実験作品など、多彩な映像作品を制作し、高い評価を得ている一人だ。

撮影:大塚敬太+稲口俊太
撮影:大塚敬太+稲口俊太

7人にくわえ、現在のアートシーンの最前線で活躍する竹村京、鬼頭健吾、袴田京太朗を加え、「2020年代」を迎えた日本のアクチュアル、かつ国際的にひらかれた表現を浮かび上がらせる。
東日本大震災によって生じた「空間/景観の余白」や、コロナ禍で体験した「時間的空白」を経て、国際的な移動や発表を前提に活動してきた作家たちが、長期にわたる閉塞状態のアートシーンの中でどのような思考を重ねたのか注目だ。

なお本展期間中限定(2月3日〜3月7日)で、「DOMANI・明日展plus online 2020」をオンライン上でも再開中。こちらにも要注目を。online.domani-ten.com

撮影:大塚敬太+稲口俊太
撮影:大塚敬太+稲口俊太


「DOMANI・明日展2021」
文化庁新進芸術家海外研修制度の作家たち
スペースが生まれる

会期/2021年1月30日(土)~3月7日(日)
会場/国立新美術館 企画展示2E
住所/東京都港区六本木7丁目22-2
時間/10:00〜18:00※入場は閉館の30分前まで
休館日/火曜※ただし2月23日(火・祝)は開館、24日(水)は休館
料金/一般 1,000円、大学生 500円
URL/https://domani-ten.com/

Text:Akane Naniwa

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