Art / Feature

ウィン・シャ × 井上嗣也 写真集『Chaos』

『Chaos』中面の見開きより。
『Chaos』中面の見開きより。

世界的に活躍する香港のフォトグラファー、ウィン・シャが捉えた光と影を、日本を代表するアートディレクター井上嗣也が大胆に構成。二人の才能が共鳴し、混沌と美が交錯する圧倒的な写真集が完成した。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2021年1・2月合併号掲載)

『Chaos』中面の見開きより。
『Chaos』中面の見開きより。

人と人、表現との接点が、猛スピードでデジタルへと置き換わっていく時代。書籍や展覧会、パフォーマンスに至るまで、私たちが知る物質的(フィジカル)な表現は、肌触りや物質感、立ち込める気配、自分自身の鼓動など、限りない五感の連鎖によって成り立っていた。写真もまた然しかり。画面を超えて放たれるその力の意味が、今あらためて問われている。

『Chaos』中面の見開きより。
『Chaos』中面の見開きより。

ウィン・シャは香港でグラフィックデザイナーとして活動後、映画監督ウォン・カーウァイの専属フォトグラファーに。その後はCMや映画、フランス版『Numéro』などの雑誌や名だたるメゾンの広告を撮影。その彼が30年にわたって撮りためた写真を託したのが、アートディレクターの井上嗣也。コム デ ギャルソンの広告や雑誌『Six』、YMOやサカナクションのアートワークなど、美しく緊張感を湛(たた)えたグラフィックで知られる。

『Chaos』中面の見開きより。
『Chaos』中面の見開きより。

当然、予定調和で終わるはずがない。映画やファッションの現場、人々の息遣い、謎めく光景……シャの手になる写真群を、井上が場面や時代を問わず組み合わせ、前代未聞の一冊が誕生した。共鳴し、火花を散らす魂の交歓。紙面に向かい、めくるほどに高まる混沌(カオス)と陶酔に何を見いだすのか。張り詰めた時空が、表紙の奥に広がっている。

『Chaos』中面の見開きより。
『Chaos』中面の見開きより。

『Chaos』表紙。荒々しく対峙する闘鶏たちの姿が、表現者二人の交錯する魂を連想させる。
『Chaos』表紙。荒々しく対峙する闘鶏たちの姿が、表現者二人の交錯する魂を連想させる。

ウィン・シャ × 井上嗣也 写真集『Chaos』

香港を拠点に活躍するフォトグラファー、ウィン・シャ(1964年生まれ)が30年にわたって撮り溜めた写真をアートディレクターの井上嗣也(1947年生まれ)がモンタージュするなど、驚くべき構成でまとめ上げた写真集(全308ページ)。

著者/ウィン・シャ
アートディレクション&デザイン/井上嗣也
価格/¥15,000(リトルモア)
www.littlemore.co.jp/

Edit & Text : Keita Fukasawa

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