「とらや市」で「鉢」の魅力を再発見する | Numero TOKYO
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「とらや市」で「鉢」の魅力を再発見する

和菓子だけではなく、和の魅力や価値を広く伝えるべく、様々な活動を続けている「とらや」。そんな「とらや」が時折、開催する"市"をご存知? 「とらや市」は、日常的に使うような、食にまつわる「道具」を取り上げ、その歴史や使い方などを紹介しながら、展示・販売をする企画。今回は「鉢」をテーマに、2020年12月2日(水)から2021年3月26日(金)まで「とらや 東京ミッドタウン店ギャラリー」にて「とらや市」を開催する。2021年1月9日(土)から3月9日(火)までは「とらや 赤坂店」で縮小版での展示、販売が行われる。

生活の中の伝統的な道具の実用性や美しさを、改めて見つめ直すきっかけを届けたいという思いからスタートした「とらや市」。これまで取り上げられてきたのは「ふきんとてぬぐい」(第2回)、「弁当箱」(第5回)、「箸置き」(第7回)などなど、どれも身近にありながらも、古くから使われてきた道具であり、それぞれに個性的な美しさをもつものばかり。 そして、第9回目となる今回は「鉢」が登場する。 日々の食事で、必ずというほど、食卓に置かれる「鉢」。深いものから浅いもの、大きな鉢から小さな鉢、すり鉢まで、多種多様にある。ちなみに鉢とは「皿よりは深くすぼみ、碗よりは浅く、口の開いた容器」と定義されるのだそう。 「とらや市 鉢」は、3つのコーナーで構成される。 「今も昔も、いつもそばに鉢」では、虎屋文庫の所有する錦絵や、雑誌『暮しの手帖』の誌面を通じて、縄文時代から現代までどのような鉢が使用されてきたかを、画像などの展示で辿ることができる。

続いて「いろいろな鉢」では、全国5カ所の焼き物の産地、小石原・信楽・高田(たかた)・波佐見・読谷村より、陶器や磁器の鉢10点が取り上げられる。さらにこちらの鉢は、実際にその場で購入可能! そのほか、山椒すりこぎや棕櫚たわしなど、鉢と合わせて使える道具も販売。

そして「鉢のある食卓」では、同じ鉢に違う料理をよそったり、異なる鉢に同じ料理をよそうなど、鉢によって食卓の雰囲気がどのように変わるかを具体的に画像で見せてくれる。そして合わせるのは、家庭の素朴な料理たち。展示や販売される鉢によそうので、鉢のステキな使い方がイメージできて嬉しい。

「とらや市」で、普段何気なく使っている「鉢」の魅力を発見してほしい。そして、新たな「鉢」との出会いも楽しんで。
また、「とらや市」を追い続けていると、食や道具にまつわる知識を深めながら、良質な道具が少しずつ揃っていくのも嬉しい限り。ぜひこの機会に!

とらや市 鉢
とらや 東京ミッドタウン店
期間/2020年12月2日(水)〜2021年3月26日(金)
時間/休日・営業時間は東京ミッドタウンに準じます。
場所/とらや 東京ミッドタウン店ギャラリー
住所/東京都港区赤坂 9-7-4 D-B117 東京ミッドタウン ガレリア地下1階
TEL/03-5413-3541

とらや 赤坂店
期間/2021年1月9日(土)〜3月9日(火)
時間/平日 9:00〜19:00 土日祝 9:30〜18:00
場所/とらや 赤坂店内 2階
住所/東京都港区赤坂 4-9-22
TEL/03-3408-2331
※縮小版の展示・販売を行ないます。

Text:Hiromi Mikuni

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