「シャネル・ピグマリオン・デイズ 2020」5人の特別なコンサートをオンライン配信へ | Numero TOKYO
Culture / Post

「シャネル・ピグマリオン・デイズ 2020」5人の特別なコンサートをオンライン配信へ

© CHANEL
© CHANEL

「シャネル・ネクサス・ホール」では、2005年の設立から毎年、有望なクラシック音楽の演奏家を公募などで選出し、1年を通じてコンサートの場を提供するプログラム「シャネル・ピグマリオン・デイズ」を実施してきた。 2020年も5名の演奏家が決定したが、​新型ウイルス感染拡大防止のため、公演を見合わせている。そんな中、嬉しいニュースが! 2020年10月16日(金)より1週間ずつ期間限定で、彼らが特別に演奏した、無観客コンサートの動画がオンライン配信される。

この「シャネル・ピグマリオン・デイズ」では、若い演奏家たちが、年間を通じて複数回の演奏会に挑む。自らプログラムを考え、演奏し、楽曲や自身についてのエピソードを交えながら思いを語り、そして多くの観客と出会う。つまり私たちは1年を通じて、アーティストの成長を目の当たりにすることができる。 2020年の参加アーティストは、前田妃奈(ヴァイオリン)、水野優也(チェロ)、平間今日志郎(ピアノ)、八木大輔(ピアノ)、鈴木玲奈(ソプラノ)の5名。本来なら「シャネル・ネクサス・ホール」でコンサートを開催するのだが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため公演は中止となり、来春の再開を予定している。そんな状況のなか、無観客で撮影された5つのコンサートが、期間限定で配信される。

© CHANEL
© CHANEL
第1回 平間今日志郎/ピア​ノ(10月16日〜22日配信) 初回の配信は平間今日志郎さん。生誕250周年を迎えたベートーヴェンの大曲、ピアノソナタ『悲愴』『熱情』を演奏する。彼は高校卒業後、スタニスラフ ユデニッチ氏に学びたいと渡米し、現在、ミズーリ州のパーク大学大学院で学んでいる。ここは総合大学の中の音楽科であり、ピアノ科の生徒は全学年でなんと6人なのだという。 スタニスラフ ユデニッチ氏について平間さんは「譜面をオーケストラ的に読んで、すべての音を聴かせて音楽を整えるという指導法で、先生は"音符に描いてあるのだから聴こえなくていい音はない"と仰るのです。」さらには「例えば声部が二つあったとして、ひとつはヴァイオリン的に、ひとつはホルン的に鳴らせば、聴衆には汚く聴こえない」、そういう授業を受けているとインタビューで語っている。そんな彼が弾く、ベートーヴェンのソナタ、気になりませんか?
© CHANEL
© CHANEL
第2回 前田妃奈/ヴァイオリン(10月23日〜29日配信) 2回目はヴァイオリンの前田妃奈さん。現在高校生の彼女は、今年開催された東京音楽コンクール弦楽部門で1位と聴衆賞を受賞している。「ヴァイオリン以外に興味のあることは、人間の感情について」と語り「将来は心理学も学んでいきたい」と、作曲家、演奏家、聴き手の心の在りように関心を向けている。プログラムは、やはり生誕250周年の記念の年なので、ベートーヴェンの『ヴァイオリン・ソナタ第1番』、そして、演奏会が再開したらいちばんに弾きたいと思っていたというリヒャルト シュトラウスの『ヴァイオリン・ソナタ』を披露する。

© CHANEL
© CHANEL

第3回 水野優也/チェロ​​(10月30日〜11月5日配信)

3回目は、チェロの水野優也さん。ハンガリーのリスト音楽院に在籍中であり、なんとミクローシュ ペレーニ氏に師事しているという。外出期間中はドナウ川岸で本気ランニングしたり、時間に追われることなく自由に演奏し、ポジティブに学び過ごしていたという。そんな彼も、プログラムはベートヴェンを中心に『チェロ・ソナタ第4番』、そして晩秋にぴったりなブラームス『チェロ・ソナタ 第1番』、ウェーベルンも。

© CHANEL
© CHANEL

第4回 八木大輔/ピアノ​(11月6日〜12日配信)

4回目は、高校生の八木大輔さんによるピアノを。彼は自粛期間中に「ラフマニノフとアルゲリッチ氏とプレトニョフ氏の音源を見つかる限り聴き続けた」という。来春からのコンサートでは「毎回異なるテーマでプログラムを組みたい」と語り、今回は”華麗なる編曲集”をテーマに、モーツァルトの『デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲』、そして難曲としても知られるリスト『「ドン・ジョヴァンニ」の回想』、ラフマニノフ編曲『愛の悲しみ』『愛の喜び』などを演奏する。

© CHANEL
© CHANEL

第5回 鈴木玲奈/ソプラノ(11月13日〜19日配信)

そして5回目は鈴木伶奈さん。「クラシック音楽ゆかりの地へ旅しよう!」をテーマに、山田耕筰『この道』、木下牧子『さびしいカシの木』、武満徹『小さな空』と胸に染み入る日本の歌から始まり、プフィッツナーのドイツ歌曲、そしてビゼー『カルメン』やバーンスタイン『キャンディード』などオペラアリアを歌い上げる。

個性豊かで、選曲にもそれぞれの思いが感じられるプログラム。彼らにとって「シャネル・ネクサス・ホール」での演奏は、今回が初めてとなる。音楽と向き合い続けてきた若きアーティストの音楽を、ぜひ聴いてほしい。
そして来春、今度は「シャネル・ネクサス・ホール」で、ふたたび出会えることを楽しみにして!

シャネル・ピグマリオン・デイズ2020
配信スケジュール/
第1回 10月16日(金)〜10月22日(木)平間 今日志郎(ピア​ノ)​
第2回 10月23日(金)〜 10月29日(木)前田 妃奈(ヴァイオリン)​​​
第3回 10月30日(金)〜 11月5日(木)水野 優也(チェロ)​​
第4回 11月6日(金)〜 11月12日(木)八木 大輔(ピアノ)​ ​​
第5回 11月13日(金)〜 11月19日(木)鈴木 玲奈(ソプラノ)​ 
配信ページ/chanelnexushall.jp

シャネル・ネクサス・ホール事務局
TEL/03-3779-4001
月~金 13:00~19:30、土 13:00~19:00(日・祝祭日休)

Text:Hiromi Mikuni

Magazine

NOVEMBER 2024 N°181

2024.9.28 発売

Instinctive

直感で選ぼう

オンライン書店で購入する