Art / Feature

【会期延長】「トランスレーションズ展 ―『わかりあえなさ』をわかりあおう」@ 21_21 DESIGN SIGHT

視覚言語である手話の表現を探る映像作品。和田夏実『Visual Creole』
視覚言語である手話の表現を探る映像作品。和田夏実『Visual Creole』

いまや世界は分断され、私たちはわかり合えない時代を生きている。でも本当にそうだろうか? 気鋭の情報学研究者ドミニク・チェンを迎え、異なる存在同士が「わかり合えなさをわかり合う」未来について考える。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2020年11月号掲載)

音の特徴を振動と光で体に伝えるインターフェイス。本多達也『Ontenna(オンテナ)』
音の特徴を振動と光で体に伝えるインターフェイス。本多達也『Ontenna(オンテナ)』

私たちはいま“わかり合えない世界”を生きている。突然の感染爆発(パンデミック)が浮き彫りにしたもの。それは、人々を隔てる意識や感覚のずれだった。口を塞げ。気をつけよう。自粛を要請する。言葉は一緒なのに通じない。人によって表現や受け取り方が異なるからだ。言語や文化、宗教や人種が違う者同士ならどうなるか。世界情勢を見ればいい。

サメを性的に魅惑する香水を制作するリサーチプロジェクト。長谷川愛『Human X Shark』
サメを性的に魅惑する香水を制作するリサーチプロジェクト。長谷川愛『Human X Shark』

しかしこれは、いまに始まったことだろうか。感覚はそのままでは他人に伝わらない。だから人間は、感じたことを共通の形へと“翻訳”するようになった。根源的に“わかり合えない”存在だからこそ、豊かなコミュニケーションの文化が生まれたのだ。その仕組みに目を向けたなら、私たちはもっと「わかり合えなさをわかり合う」ことができるのではないか。

ぬか床内部の微生物の働きによる発酵の進み具合を音声に翻訳するロボット。Ferment Media Research『NukaBot v3』
ぬか床内部の微生物の働きによる発酵の進み具合を音声に翻訳するロボット。Ferment Media Research『NukaBot v3』

情報学研究者のドミニク・チェン(1981年、東京生まれ/フランス国籍)をディレクターに迎え、異なる言語や五感による人間同士の意思疎通、微生物や動植物など異なる存在との対話まで、コミュニケーション・デザインの視点から翻訳行為の可能性を探る展覧会。それぞれの違いを認め合うこと。まずはそこから始めよう。

言語と食文化を翻訳的観点から考察した映像作品。永田康祐『Translation Zone』
言語と食文化を翻訳的観点から考察した映像作品。永田康祐『Translation Zone』

展覧会メインヴィジュアル
展覧会メインヴィジュアル

「トランスレーションズ展 ―『わかりあえなさ』をわかりあおう」

会期/2020年10月16日(金)〜2021年3月7日(日)
会場/21_21 DESIGN SIGHT
住所/東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン
TEL/03-3475-2121 
URL/www.2121designsight.jp
※事前予約制。その他、最新情報は公式サイトを参照してください。

※3月7日(日)に終了予定の会期が、6月13日(日)まで延長となりました。【1月28日更新】

Edit & Text : Keita Fukasawa

Recommended Post

Magazine

#147_ec

June 2021 N°147

2021.4.28発売

Body Philosophy

からだのはなし

オンライン書店で購入する