【会期延長】「トランスレーションズ展 ―『わかりあえなさ』をわかりあおう」@ 21_21 DESIGN SIGHT
いまや世界は分断され、私たちはわかり合えない時代を生きている。でも本当にそうだろうか? 気鋭の情報学研究者ドミニク・チェンを迎え、異なる存在同士が「わかり合えなさをわかり合う」未来について考える。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2020年11月号掲載)
私たちはいま“わかり合えない世界”を生きている。突然の感染爆発(パンデミック)が浮き彫りにしたもの。それは、人々を隔てる意識や感覚のずれだった。口を塞げ。気をつけよう。自粛を要請する。言葉は一緒なのに通じない。人によって表現や受け取り方が異なるからだ。言語や文化、宗教や人種が違う者同士ならどうなるか。世界情勢を見ればいい。
しかしこれは、いまに始まったことだろうか。感覚はそのままでは他人に伝わらない。だから人間は、感じたことを共通の形へと“翻訳”するようになった。根源的に“わかり合えない”存在だからこそ、豊かなコミュニケーションの文化が生まれたのだ。その仕組みに目を向けたなら、私たちはもっと「わかり合えなさをわかり合う」ことができるのではないか。
情報学研究者のドミニク・チェン(1981年、東京生まれ/フランス国籍)をディレクターに迎え、異なる言語や五感による人間同士の意思疎通、微生物や動植物など異なる存在との対話まで、コミュニケーション・デザインの視点から翻訳行為の可能性を探る展覧会。それぞれの違いを認め合うこと。まずはそこから始めよう。
「トランスレーションズ展 ―『わかりあえなさ』をわかりあおう」
会期/2020年10月16日(金)〜2021年3月7日(日)
会場/21_21 DESIGN SIGHT
住所/東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン
TEL/03-3475-2121
URL/www.2121designsight.jp
※事前予約制。その他、最新情報は公式サイトを参照してください。
※3月7日(日)に終了予定の会期が、6月13日(日)まで延長となりました。【1月28日更新】
Edit & Text : Keita Fukasawa