Culture / Post

withコロナ時代に問う 森山未來『「見えない/見える」ことについての考察』

©︎Shintaro SUMIMOTO
©︎Shintaro SUMIMOTO

俳優やダンサーといった表現の枠を超え、withコロナの時代にも精力的な創作活動を続ける森山未來。今回、彼が挑むのは「見る」ということについてだ。

ノーベル賞作家であるジョゼ・サラマーゴの「白の闇」とモーリス・ブランショ作の「白日の狂気」をベースにした朗読劇に照明や音楽といった効果を織り交ぜ、観客に「今、本当に見えているのか」「あなたが見えていると思っているものは本当に見えているのか」といった問いかけをしていく。

©︎Shintaro SUMIMOTO
©︎Shintaro SUMIMOTO

「目が見えない」という言葉を聞いた時、頭にどのようなイメージが浮かぶだろうか。多くの人は暗い闇の世界を思い浮かべるのではないだろうか。しかし、現実には「ミルクのように圧倒的な白い闇」が押し寄せてくる場合が多いのだという。もし、多くの人がそうした状態になった時、混乱の中で人々はどうなるのか。また、急に強い光が当たりすぎると、かえって視覚を奪われることがあるのは、誰しも経験があるだろう。明るすぎることでかえって見えないものは、果たして本当に見えているのか分からなくなる。

withコロナの時代に人々は様々な価値観を揺るがされた。毎日変わらずあると思われた出社風景や家族との外出、学校や習い事といった日常が、こんなにも簡単に変化してしまうとは。あんなに自分たちが確かだと思っていた日々は何だったのか、と思った人も多いに違いない。

森山未來が観客に問うのは、そうした経験を経て、人々が当たり前に感じているもの・ことが果たして本当にそうなのか、を考えるということである。そもそもは2017年に東京藝術大学でたった4回の公演ながら、新しい表現の形を提示したことで話題となったパフォーマンスの再演になる。だが、3年の歳月はあまりにも大きな課題を私たちに突き付けてくるだろう。

朗読パフォーマンス『「見えない/見える」ことについての考察』

演出・振付・出演/森山未來
キュレーション/長谷川祐子
テキスト/ジョゼ・サラマーゴ「白の闇」(翻訳:雨沢泰、河出書房新社刊)
モーリス・ブランショ「白日の狂気」(翻訳:田中淳一 ほか、朝日出版社刊)
共同振付/大宮大奨
照明/藤本隆行(Kinsei R&D)
音響/中原楽(ルフトツーク)
映像/粟津一郎
舞台監督/尾崎聡
協力/藤井さゆり、三宅敦大
制作協力/伊藤事務所
企画・制作・主催/サンライズプロモーション東京

10月14日(水)~11月6日(金)、横浜赤レンガ倉庫1号館3Fホールを皮切りに、全国7ヶ所で38公演を開催。

チケット購入URL/https://eplus.jp/mienaimieru/
公式 HP/https://mienai-mieru.srptokyo.com/
お問い合わせ/サンライズプロモーション東京 0570-00-3337(平日 12:00-15:00)

Text:Reiko Nakamura

Recommended Post

Magazine

150_H1_650_ec

OCTOBER 2021 N°150

2021.8.27発売

Logo À Gogo

やっぱりロゴが好き

オンライン書店で購入する