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松川朋奈×山谷佑介 画家と写真家の二人展

松川朋奈 『新しい100年』 (2020年) © the artist, courtesy of Yuka Tsuruno Gallery
松川朋奈 『新しい100年』 (2020年) © the artist, courtesy of Yuka Tsuruno Gallery

東京・天王洲のユカ・ツルノ・ギャラリーにて、画家・松川朋奈と写真家・山谷佑介の二人展「OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR」が開催。会期は、2020年6月20日(土)〜8月8日(土)まで。

展示風景より。
展示風景より。

同世代の女性とのインタビューを重ねることで絵画の主題やモチーフを選んできた松川朋奈(1987年生まれ)。近年は、母親と子どもの主題を多く描いたシリーズ「Love Yourself」を発表している。自身が年齢を重ねるにつれて、同世代の「若い女性」であった彼女らが「妻」や「母親」といった今までとは異なる立場や社会的責任を持ち始めたことが作品に映し出されている。

松川は本展で、ジョルジュ・サンドの小説『イシドラ』の主人公が、一人の女性として社会が作り出す地位や美に対する眼差しから逃れ、鏡に映った老いていく姿を受け入れる表現に着想を得た新作を発表。「鏡に映るありのままの姿を受け入れ、それを愛しむ」という思いが込められているという。

山谷佑介 『2019年2月26日 東京都杉並区』 (2020年)  © the artist, courtesy of Yuka Tsuruno Gallery
山谷佑介 『2019年2月26日 東京都杉並区』 (2020年)  © the artist, courtesy of Yuka Tsuruno Gallery

一方の山谷佑介(1985年生まれ)は、国際的なフォトフェスティバルなどでも注目を浴びる気鋭のフォトグラファー。文芸誌「新潮」では、音楽評論家・磯部涼とともに川崎市登戸通り魔事件、元農水事務次官事件、京都アニメーション放火事件など、令和に起きた事件の現場や加害者が育った街を取材し、注目を集めている。

今回の新作は、以前のコントラストの強い作品とは対照的に、全体的にグレーがかった風景写真で構成。事件を追ったルポルタージュとして撮影された風景と、山谷自身が日常的に見ている風景を同列に並べて展示。そこに介在する自己と他者の視線が、隣り合った日常の風景として表現されている。

本展のタイトル「OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR」 は、アメリカやカナダなどで車のサイドミラーに貼られる安全警告文から付けられている。鏡にはまだ遠くに映って見えるものが、実際には近くにあるという注意を促すもの。日常的には遠くにあると思っていたものが、本当はすぐそばにあるということを想起させる。

2016年の二人展「at home」以来、私生活や作品制作における変化と新たな気づきをそれぞれに受け入れながら制作活動をしてきた二人。日常のなかでの距離感、社会や個人の視線を反射する日常を構成する風景など、第2回目となる本展の新作シリーズを、どうぞお見逃しなく!

※掲載情報は6月23日時点のものです。
開館日時など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

「OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR」
会期/2020年6月20日(土)〜8月8日(土)
会場/ユカ・ツルノ・ギャラリー
住所/東京都品川区東品川1-33-10 3F
開館時間/11:00〜18:00
休館日/月、日、祝
URL/yukatsuruno.com

Text : Akiko Kinoshita

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