ロバート・フランクとの時間が映し出された操上和美の写真集『April』 | Numero TOKYO
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ロバート・フランクとの時間が映し出された操上和美の写真集『April』

© Kazumi Kurigami
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写真家の巨匠、ロバート・フランクを、操上和美が撮影した写真集『April』(スイッチ・パブリッシング刊)が、この度刊行。ニューヨーク、ノヴァスコシア、そして富良野と3つの土地を巡るふたりの記憶が浮かび上がる。6月20日(土)からは展覧会も予定。

写真史の大きな足跡をのこし、2019年9月にこの世を去った写真家、ロバート・フランク。客観性に重きを置かれていたフォトドキュメンタリーを、私的な表現ができるアートの1ジャンルとして開拓したことで知られている。 フランクと巡り会い、彼の姿をフィルムにおさめた操上和美による写真集『April』がこのたび発売。操上は、1960年より本格的に写真を始め、その後半世紀以上にわたり時代を象徴する鋭い映像表現で広告界を牽引してきた写真家である。本誌「男の利き手」コーナーでは、創刊以来撮影を担当しており、おなじみの読者も多いはずだ。 彼のキャリアの中でも重要な位置を占める著名人のポートレイトだが、特にロバート・フランクを写した雑誌『SWITCH』の特集(1992年)は大きな反響を呼んだ。

© Kazumi Kurigami
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操上がはじめてロバートの姿を撮影したのは1992年のニューヨークのアトリエで、その後カナダ・ノヴァスコシアの別荘に向かった。そして1994年には操上の故郷・北海道の富良野へ旅し、翌年日本で大規模なフランクの展覧会が開かれることになる。展覧会の図録の年表には、このときの北海道旅行が記されており、かけがえのない時間を過ごしたことがうかがえる。

© Kazumi Kurigami
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ふたりの写真家がともに過ごしたニューヨーク、ノヴァスコシア、そして富良野の旅が鮮やかにうつしだされる。5月15日(金)からはタカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムにて、刊行記念展覧会も開催予定。

操上和美『April』
スイッチ・パブリッシング刊(2020年)
販売価格/3,200円(税別)
URL/http://www.switch-pub.co.jp/

展覧会情報
会期/6月20日(土)〜7月25日(土)
会場/タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム
住所/東京都港区六本木5-17-1 AXISビル 2F

※掲載情報は4月22日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

Text:Akane Naniwa

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