ジャンポール・ゴルチエ、初のゲストデザイナーにsacaiの阿部千登勢を起用
1月に引退を発表したJean Paul Gaultier(ジャンポール・ゴルチエ)が、オートクチュールを新たなコンセプトのもとに継続させると発表。毎シーズン、メゾンの美学をそれぞれの解釈に基づいて表現してくれるデザイナーを招き入れ、オートクチュールのビジョンを発信していくのだという。
そのプロジェクトに参加する最初のデザイナーとして迎え入れられることになったのは、sacaiの阿部千登勢。阿部が手がけるコレクションは2020年7月、次のオートクチュールで発表となる。
今回のプロジェクトにあたってゴルチエが寄せたコメントは下記の通り。
「1つのオートクチュールブランドをさまざまなデザイナーが解釈するというアイデアは、90年代のパリのオートクチュールハウスで特定のデザイナーがいない事実に気付いたときに思いつきました。このコンセプトが、sacaiの阿部千登勢を最初のゲストデザイナーとして迎え入れ現実になったことを嬉しく思います。私は彼女の服作りを称賛しています。私たちはクリエイティビティにおいて多くの共通点を持ち、ファッションに対して同様のビジョンを持っています。完全なる自由をもって彼女にデザインしてもらいたいと思っています」
阿部は「破壊的なフェミニティを表現するJean Paulならではの独自のビジョンとオリジナリティを、ものづくりを始めた当初から長い間賞称賛してきました。本プロジェクトの初めてのデザイナーとして彼のハウスに迎えられたことを大変光栄に思います」と語っている。
阿部がニット5型で始めたsacaiはいまやパリコレ常連の世界的なブランドとなり、近年はそのブランドを強固なものにしながら、コラボレーションも精力的に行ってきた。服をデザインし、ブランドのアイコンにもなり、ビジネスマンでもあり、経験値も申し分ない彼女がゴルチエとタッグを組む。一体どんなコレクションになるのだろうか。新しい時代の幕開けのような次回のオートクチュールが楽しみでならない。
Text:Chiho Inoue