テイ・トウワが見た「加藤泉 – LIKE A ROLLING SNOWBALL」展
原始美術を思わせるミステリアスで⼒強い⼈物表現を特徴とする現代美術作家、加藤泉が原美術館(東京)とハラ ミュージアム アーク(群馬)にて個展を開催中。自身も個展「GLUE SCISSORS」を開催中の音楽家、テイ・トウワがその見どころを語る。(「ヌメロ・トウキョウ」2019年11月号掲載)
加藤泉しかいない品川
一度見たら忘れられない顔。10年ほど前にどこかの美術館で出会ったその顔と姿が、メタモルフォーゼ、増殖しては何度となく僕の前に現れては消えた。2019年、ハラ ミュージアム アークと原美術館での加藤泉氏の個展に足を運んだ。群馬・伊香保のロケーションも最高だったが、わが故郷・品川は原美術館へ。
まず入場してすぐに和ませてくれるのがスタンプサービス。相互割引券は加藤さんキャラが黒で印刷されているのだが、品川では黄色の輪郭、伊香保では青い顔色のスタンプをDIYで押せる。つまりは1カ所なら単色の、2カ所コンプリートならば、2色刷りのミニ版画がゲットできるのだ。これ、額装したら立派な版画作品ですね。なんとワクワク、嬉しいサービスなんでしょう。54歳だが非常に嬉しかった。
そして敷居こそフレンドリーかつ低く始まるものの、展示の濃さ、加藤泉(作品)しか存在しない高次元な異空間へ飛ばされます。特にモノづくりをしてる人は、木/紙/紐/布/石/鉄/インク/パステルといった身近な材質から生まれる加藤泉たち、略してIKには、打ちひしがれるか、もしくは勇気をもらえると思います。未知との遭遇。IKしか存在しない世界は、僕には心地よい異空間でした。
高度な技術や造形師さんとの共同作業を要するソフビエディションなどは、お手頃な値段で手に入るIKだったりするのだが、この方、ロックバンドでドラムも叩いていらっしゃる。7インチジャケがまたまたIKでした。もちろんジャケ買いしましたよ。
「加藤泉 – LIKE A ROLLING SNOWBALL」
会場/原美術館
会期/開催中〜2020年1月13日(月・祝)まで
住所/東京都品川区北品川 4-7-25
開館時間/11:00〜17:00(祝日を除く水曜日は20:00まで)入館は閉館の30分前まで
休館日/月曜日(2020年1月13日は開館)、年末年始12月26日(木)〜2020年1月3日(金)
TEL/03-3445-0651(代表)
haramuseum.or.jp
会場/ハラ ミュージアム アーク
会期/開催中〜2020年1月13日(月・祝)まで
住所/群馬県渋川市金井2855-1
開館時間/9:30〜16:30 入館は閉館の30分前まで
休館日/木曜日(1月2日は開館)
TEL/0279-24-6585
【トークイベント】
対談 山口桂(クリスティーズ日本法人代表)×加藤泉
開催日/12月1日(日)
開催時間/14:00〜15:30(開場13:30)
お申込み先(定員になり次第締め切り)/
ハラ ミュージアム アーク Tel:0279‐24‐6585 E-mail:arc@haramuseum.or.jp
Text:Towa Tei Edit:Sayaka Ito